定価の観点でアクアノートと同水準だったというのはもちろん、新品実勢価格においてもそこまで大きな開きはなかったといえるのがこのエアコマンドという腕時計です。
2000年代前半の印象だと、50万円以上の時計は高いという感覚がありましたが、当時そういった価格帯だったのが、雲上ブランドのステンレスモデル。50万円という価格帯は、今ではそれほど高いとは感じませんが、2000年代前半においては「ステンレスなのに50万円台は高い」などと言われていたこともあります。
そういった意味では、色々な意味で“高い”と感じたわけですが、当時“割高”とも言われたSS雲上モデルは、今では百万円単位といった価格帯になっているわけです。
それは、アクアノートやノーチラス、ロイヤルオークなのであるのですが、それら世代の腕時計で、現在最も高価格帯に位置するノーチラス3710/1Aは700万円台という水準。かつては新品でも90万円程度で購入可能だったわけですから、随分値上がりしたことになります。
しかし、このエアコマンドは、それらと比べると随分お得感のある価格帯に位置。それは、もう数年前の段階からそうだったのですが、この3年ぐらいの間は50万円台といった水準です。
また、2016年に至っては40万円台だったこともありますが、ここ5年ぐらいは、40万円台か50万円台といった価格帯だったといえます。
けれども、そんなエアコマンドに今、異変が発生。なんと現在この2285F-1130-71は60万円台という水準になっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年10月 の安値(楽天) |
2019年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ブランパン
トリロジー エアコマンド 2285F-1130-71 |
中古 | 1年 2ヶ月 |
¥537,840 | ¥618,000 | 80,160 | 114.90% |
現在、エアコマンドは約61万円という水準ですが、これは2018年10月と比較して約8万円の上昇といったところ。「8万円」という値動きは、これまでのエアコマンドの動きを見る限り、かなり凄いといえるかと思います。
エアコマンドは、価格的にも内容的にも、そのキャラクターはアクアノートなど、雲上スポーツモデルのライバルといったところ。しかしながら、これまであまり評価されることはなかったわけです。
値上がりした現在の水準でも、このようなキャラクターとしては依然お得感があるとも感じます。
例えば、ステンレススポロレの中で最も安いエクスプローラーと比較しても、その差は10万円程度。最も安いスポーツロレックスとの価格差が10万円というのは、やはり安いと感じてしまいます。
これまでの例を見る限り、そこまで大きな値動きは期待できないかもしれませんが、良い腕時計を安く買うという観点では、なかなか良い1本といえるのではないでしょうか。