歴史あるマニュファクチュールブランドのコンプリケーションといえば、随分高いという印象がありますが、ジャガールクルトに関してはその限りでないといえます。
なぜなら、コンプリケーションに匹敵する機構のモデルでも、100万円以下というった水準で購入可能であるからなのですが、それはステンレスに限らず金無垢モデルでもその価格帯で狙うことができてしまうのです。
このマスタージオグラフィークは、ワールドタイム的な機能を備えているコンプリケーションモデルですが、ピンクゴールドの142.2.92でも現在100万円以下といった水準で購入可能。実はこの時計、今年2月には100万円以上という水準だったのですが、それは2017年5月と比べて値上がり状態だったわけです。
2017年5月の水準は約96万円だったわけで、まさに2019年12月現在に近い価格。ですから、一旦値上がりし、再度もとの価格帯に戻ってしまったような感覚ですが、なぜ値下がりしたのかは不明です。
さらにこのモデル、2004年頃の中古実勢価格は、約83万円という水準なのですが、2004年当時と比べてもそこまで大きく価格帯が変わっていないといえます。
その結果、他の時計と比較した場合、その価格序列は大きく変わってしまっているわけで、今では、2004年当時、随分価格帯が違ったSSスポーツロレックスと近い価格帯に位置しているぐらいなのです。
2004年頃、このマスタージオグラフィークと同じく、「GMT機能」を搭載するGMTマスターは、30万円以下という中古水準でした。筆者はその頃、SSより価格帯が高いコンビの16713茶金ベゼルを購入しましたが、35万円以下という価格で手に入ったのです。
しかし、今となっては16710はこの142.2.92とほぼ同じ水準、茶金16713に関しては115万円程度。それに対して、142.2.92は約99万円ですから、明らかに価格序列が変化したといえるわけです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年2月 の安値(楽天) |
2019年12月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
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ジャガールクルト
マスタージオグラフィーク 142.2.92 |
中古 | 0年 10ヶ月 |
¥1,077,840 | ¥998,000 | -79,840 | 92.59% |
このマスタージオグラフィークは、左右非対称な文字盤デザインがコンプリケーションらしく、文字盤下には、主要都市が記されています。このような見た目は、腕時計に詳しくない人からしても「高そう」と感じ、GMTマスター2の116710BLNRよりも高そうに見えても不思議ではありません。
そういった意味では、内容、キャラクター、存在感といったあらゆる方向性で、この142.2.92はお得感があるといえますが、GMTマスターよりも、こっちが欲しいと思う方はそれほど多くないのでしょう。