エルプリメロといえば、ゼニスが開発した有名なクロノグラフムーブメントで、かつてはロレックスデイトナやパネライ72番など、他社製品にも供給されていました。
そういったことから、「エルプリメロ」というムーブメントは、それ自体が大変価値あるブランドとなっている印象もあるわけで、腕時計のムーブメントとしては最も有名な存在といっても過言ではないでしょう。
そのようなブランド力から、エルプリメロを搭載した腕時計は「かなり高い」という印象があります。実際、デイトナ16520は230万円以上、パネライ72番も80万円以上という水準であるわけで、やはりエルプリメロは高いというイメージになるわけです。
しかし、本家ゼニスを見てみると、中古のエルプリメロ搭載モデルの中には、それほど高くないものも存在し、安いものでは10万円台で購入可能であるわけです。
そういった現象は2016年の段階からお伝えしていますが、2019年現在でも特に変化がない様子です。
けれども、このエルプリメロHW、02.0500.420/24というモデルは変化がないわけではありません。
2017年10月時点で、このモデルは25万円以下で購入可能という様子だったのですが、今では30万円以上という水準にまで上昇。実に5万円以上の値上がりとなっているわけですが、これは2017年以前の動きからすると、かなり優秀な現象だといえるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年10月 の安値(楽天) |
2020年1月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ゼニス
エルプリメロHW 02.0500.420/24 |
中古 | 2年 3ヶ月 |
¥248,000 | ¥302,500 | 54,500 | 121.98% |
2011年4月において、この02.0500.420/24は22.8万円という水準。それに対して2017年10月は24.8万円だったわけですから、アベノミクス及び2017年という大きな値動きの時期を含んだ6年間で、2万円の値動きにとどまっていたわけです。
ですから、2017年⇒2019年の約5万円という値動きがかなり優秀といえるのです。
なお、このエルプリメロには末尾に「HW」という記載がありますが、これは手巻きを示します。2針+スモセコムーブメントの「エリート」にもHWがありますが、ゼニスは自動巻だけでなく、手巻きバージョンを作る傾向があるわけです。
02.0500.420/24というモデルは、手巻きのエルプリメロであるのですが、そういった意外性だけでなく、見た目も魅力的だと感じます。
そのため、2017年10月の記事ではお得感があると感じたわけですが、それから現在にかけて値上がりしたというのは、「やはり」という感覚になります。
今では、スピードマスターのムーンウォッチと同水準に位置するこのエルプリメロHWですが、30万円ぐらいの選択肢として、今でもやはり魅力的だと感じます。
特に、ムーブメントの観点では、他の30万円台の選択肢には他社製ムーブメントが基本であるため、このエルプリメロHWは抜きん出た印象があります。
まして、そのムーブメントも「エルプリメロ」という有名ムーブメント。見た目の良さ、裏スケ&ブレスレットという人気要素などを考慮して、はやり30万円台となった今においても、魅力的な1本だといえるのではないでしょうか。