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現在相場考察

プラチナ文字盤の評価について、ヨットマスター116622

2020年1月8日更新
ロレックスのヨットマスター116622について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年9月の安値(楽天)と2020年1月の安値(コミット銀座)を比較し現在相場を考察。この1年4ヶ月での変動は2万2160円の値上がりだった。

ヨットマスター プラチナ文字盤 116622についての考察(2020年1月)

生産終了という要素は、ロレックスにおいて高値となる場合がありますが、ヨットマスターロレジウムについてはその限りではないようです。

かつて「ロレジウム」という言葉は、すなわち“プラチナ文字盤”を示していたといえます。しかし、今ではプラチナ文字盤が生産終了となってからすでに2年以上という月日が経過。にもかかわらず、全く評価される兆しがありません。

プラチナ文字盤という存在は、先のように、ロレジウムを象徴する要素だといえますが、こういった要素の生産終了は、かつて目立って評価されたことがあります。

その例こそ、GMTマスターシリーズの「青赤ベゼル」なのですが、2007年に生産終了となって以降、初めて評価されています。

「青赤」といえば、今では大人気という要素ですが、2007年以前は不人気といった扱い。それが、生産終了となって以降、評価されたわけです。

ロレジウムの場合、GMTマスターシリーズと異なるのは、現行時代に決して不人気ではなかったという点。特に16622は、人気ともいえる存在感であり、2010年代前半までの価格序列は“サブマリーナ&GMTマスター2コンビモデルより上”というポジションに位置していたのです。

116622は、16622の後継モデルなのですが、両者の見た目の差は間違い探しレベル。116622になってから青文字盤など他の文字盤が用意されるようになりましたが、プラチナ文字盤同士ではその差はほぼ無いわけです。

そういった意味では、116622デビュー以降において、プラチナ文字盤よりも、真新しい青文字盤等が評価されるといったことは分かります。

また、そのような時期については、プラチナ文字盤は“不人気”ともいえるポジションとなっていたとも考えられるため、かつてのGMTマスターシリーズ同様、生産終了後に大きく評価される素材は揃っていたと思うわけです。

しかしながら、116622プラチナ文字盤は、現在あまり評価されていないといった状況。現在水準は、110万円(ABランク以上)であるのですが、これは116622の中で最も安い価格帯であるのです。

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年9月
の安値(楽天)
2020年1月
の安値(コミット銀座)
変動額 残価率
ロレックス
ヨットマスター
プラチナ文字盤
116622
中古 1年
4ヶ月
¥1,077,840 ¥1,100,000 22,160 102.06%

116622には、

  • プラチナ文字盤
  • 青文字盤
  • ダークロジウム文字盤
  • というラインナップがありますが、一番高いのはダークロジウム文字盤。逆に安いのは青文字盤という印象がありました。

    それが、現在ではプラチナ文字盤が青文字盤以上に安いか、同じぐらいという水準となっているため、評価されていないという印象になります。

    まして、プラチナ文字盤は生産終了。また、プラチナ文字盤といわれるだけあり、文字盤そのものの作りも、他の通常色文字盤より凝っているわけです。

    そういった意味では、プラチナ文字盤の116622には、

  • 生産終了
  • 凝った造り
  • ロレジウムを象徴するキャラクター性
  • など、様々な良い要素があるわけであり、今よりももう少し評価されてよいのではと思うわけです。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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