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現在相場考察

ブレスレットの、カラトラバ5107/1J

2020年1月7日更新
パテックフィリップのカラトラバ5107/1Jについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2005年2月の新品実勢参考値と2020年1月の中古安値(ヤフーショッピング)を比較し現在相場を考察。この14年11ヶ月での変動は¥-637,555だった。

カラトラバ 5107/1Jについての考察(2020年1月)

今ではノーチラス人気などにより、“ブレスレットのパテックフィリップという存在に対してレアという印象はあまりないかもしれません。

しかし実際のラインナップにおいて、ブレスレットモデルの展開はパテックフィリップで少ないわけです。

まして、ノーチラスアクアノートのようなスポーツ系以外となると、中古でもなかなか見ないわけで、その存在感はやはりレアという印象になります。

そういったブレスレットパテックにおいて、最もレアだと感じるのがカラトラバであるのですが、「レア」という要素とは真逆に位置するといったカラトラバが、ブレスレットという観点ではレアなキャラクターとなるのは面白いと感じます。

ただ、カラトラバでも、ゴールデンエリプスなどでよく見る「切って長さ調整するタイプのブレスレット」はそこそこ見かけるため、レアという印象になるのはこの5107/1Jのようなタイプだといえます。

5107といえば、2000年代前半の時代に、ポピュラーなカラトラバといった印象だった存在で、当時の評価もそれほど高いとは感じませんでした。

それが2010年代になると、カラトラバの価格序列の中でなかなか上位に位置する様子となっており、以前とは異なり「高いモデル」という印象になったのです。

そういったことに該当するのは、革ベルトモデルですが、今でも200万円以上という水準が当たり前となっています。

そうなると、そのブレスレットタイプである5107/1Jはさらに高価格帯に位置すると感じます。実際、かつての新品実勢価格では、革ベルトが100万円台で購入可能だったのに対し、ブレスレットとなると300万円台という水準。定価も約422万円でありました。

そういったことから、5107/1Jは随分高いモデルという印象があり、実際価格帯も高かったためか、中古でもなかなか出てきません。

では、今の時代、この5107/1Jはいったいいくらで買えるのかというと、その価格は意外な水準。現在、この時計は248万円という水準で購入可能であるのですが、革ベルトの5107Jと大きく変わらない価格帯に位置しているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2005年2月
の新品実勢参考値
2020年1月
の中古安値(ヤフーショッピング)
変動額 残価率
パテックフィリップ
カラトラバ
5107/1J
新品 14年
11ヶ月
¥3,117,555 ¥2,480,000 -637,555 79.55%

5107/1には、YGのJとWGのGが存在する模様ですが、どちらもあまり出てこないため、いったい今の水準がどのようなものかを把握しづらい傾向があるかと思います。

なお、2005年の新品実勢価格は5107/1Gです。本来、/1Jを比較するのが正しいのですが、/1Jのデータはありませんでした。ただ、当時のYGとWGの価格差は10万円程度だったため、5107/1Jはおおよそ300万円程度といった水準だったかと推測できるため参考値としました。

筆者のように、現行時代から5107/1Jを知っていて、「高い」という印象がある方は、今の時代での248万円という水準が意外だと感じるでしょうが、過去相場を知らなければ、この5107/1Jのキャラクターは把握しづらいかもしれません。

そういったことから、5107/1Jは現在248万円で入手可能なのかもしれませんが、このようなレア高級パテックフィリップでも、今やアクアノート5066/1Aと同水準というのが面白いと感じます。

5107/1Jという存在は、ブレスレットという高級要素と、カラトラバというパテックフィリップのエントリー的要素を兼ね備えた存在であるため、なかなか手が出しづらいけど、意外と興味深いという存在だと思います。

しかし、この248万円といった現在水準では、他のパテックフィリップと比較して相対的に高いわけではないため、意外と手が出しやすい状況になっているかと感じるわけです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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