ブルガリのスクーバクロノという腕時計は、2000年前後という時代において、40万円台後半という新品実勢価格(SSブレスレットモデル)だったのですが、当時の定価も70万円台という水準だったようです。
当時のスクーバのイメージは、ロレックス的要素を持ったオシャレな存在といった感じ。ロレックスは「王道」である一方、オーソドックスな選択という印象があります。その一方で、スクーバの場合、「人とちょっと違う」という感覚で評価されていたように思います。
そんなスクーバクロノですが、2016年の段階で中古が14万円程度という水準になっていました。
実はこの時計、2010年という時期においての中古相場が20万円台前半という水準だったため、リーマン後の時代より、アベノミクス後のほうが値下がりしているというモデルであるのです。
そして、2016年以降、スクーバクロノは若干高くなったようにも感じたのですが、それでも13万円、14万円、15万円台といった水準で入手可能という様子があります。
かつての実勢価格や人気度を考慮すると、近年におけるスクーバクロノの立ち位置は、非常にお得感があるといえ、実際それなりに中古は売れている様子だと感じます。
さて、そんなスクーバクロノのSCB38Sという時計ですが、同じモデルでも実はいくつかの世代に分類することができます。
それらは上から古い順に、
といった変化です。
今、市場で最も見かけるのは、最も新しい「発光塗料がルミノバ」の世代ですが、かつてその世代は最も高値という印象がありました。
今となっては、世代ごとにおける相場差はあまり感じませんが、レア感という意味ではトリチウムのほうが上となっている点が、過去と異なるかと思います。
ロレックスなどに関しても、10年ぐらい前まで「トリチウム」という要素は不人気で、逆に「ルミノバ」のほうが“新しくて人気”という傾向がありましたが、最近はトリチウムが人気という印象があります。
実際、トリチウム文字盤は、現行モデルとは明らかに異なる独特な雰囲気で、今の時代においてなぜだか輝いて見えるというのは、筆者としても理解できる点です。
そういった意味では、このスクーバにおいても、ロレックスやパネライと同じ「トリチウムの魅力」を感じると思うのですが、今のところトリチウムだからといって特に評価されているとはいえない様子です。
なお、トリチウムの個体で比較をした場合、2012年とではやや値上がり状態だといえますが、驚くほど大きく変わっていないともいえます。
ちなみに2012年当時において、ルミノバの個体はもう少し評価されていましたが、今では全体的に15万円前後ということから、7年ぐらい前と比べるとトリチウムとルミノバの価格差は少なくなっている傾向です。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年8月 の安値(ヤフオク) |
2020年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ブルガリ
スクーバクロノ ブレスレット (トリチウム) SCB38S |
中古 | 7年 6ヶ月 |
¥120,000 | ¥138,000 | 18,000 | 115.00% |
ちなみに先日、SCB38Sのフチなし個体が登場したのですが、そちらはすぐに売り切れとなっていました。
筆者は個人的にSCB38Sのトリチウムが良いと思って見ていたのですが、フチなし個体がすぐに売れたことから、やはりこの世代のスクーバには需要があると思ったのです。
そういった意味では、トリチウムのスクーバは隠れた人気モデルでありながら、10万円台で購入可能であるため、今なかなか注目するに値する選択肢なのではないかと感じます。