かつてはカルティエを代表するほどの人気度となっていたパシャですが、今では男性向けモデルは廃止された様子。デビュー時は男性用モデルがメインだったのに、今では女性用のミスパシャのみとなっているのです。
パシャといえば、ジェラルド・ジェンタ氏による作品の1つという噂がありますが、どうやらそれに該当するのは、1985年に登場したモデルのようです。
そのモデルこそ、「パシャオリジナル」と呼ばれる38mmモデルですが、2005年頃まで上級モデルとしてラインナップされていました。
ただ、パシャ38mmは何度か大幅なデザイン変更がなされているため、85年のオリジナルと90年代モデルでは雰囲気は大きく異なります。
中古市場で最も見かけるのは、90年代後半にデビューし2005年頃までラインナップされた世代ですが、これはまさに2000年前後の腕時計ブームといった時代において現行だったモデルです。
そのため、中古市場での流通も比較的多く、認知度も他の世代よりあるといえます。
しかし、そのキャラクター性は、10年前と今とでは大きく変化しているといえ、具体的には価格帯が異なるといえるでしょう。
2001年において、W31040H3の新品実勢価格は約45万円という水準だったのですが、これは当時のSSスポーツロレックスより高いという感じる価格だったといえます。
その頃、デイトナを除くSSモデルで最も高かったのはエクスプローラー14270ですが、それとW31040H3は同価格だったのです。
そういったことから、パシャ38mmは比較的高いシリーズという印象があり、それが10年ほど前までの中古相場からも感じることができたのです。
ちなみに2010年3月において、このW31040H3は約31万円という水準でしたが、その頃エクスプローラー14270は20万円台前半という水準でした。
けれども、2010年代中盤となるとパシャ38mmの中古水準は20万円台中盤となり、2010年頃よりも安くなってしまったのです。
ロレックスの場合、2010年頃と2010年代中盤では、2010年代中盤のほうが「だいぶ高い」となっているためその、価格序列には大きな変化があったといえます。
そして、そういった傾向は2020年の今でも変わることなく、このW31040H3も3年前との比較でやや値下がりしている様子となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年2月 の安値(楽天) |
2020年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
パシャ38mm W31040H3 |
中古 | 3年 0ヶ月 |
¥268,000 | ¥250,800 | -17,200 | 93.58% |
このW31040H3は、3針のグリッド付きというモデルですが、「グリッド」という存在自体が腕時計ではレアアイテム。グリッドはパシャCのグレー文字盤やサーモンピンク文字盤にも文字盤のデザイン要素として表現されていますが、パシャのアイコン的アイテムだといえるでしょう。
そのため、グリッドモデルは従来から人気があり、「グリッドなし」の3針に対して相場が高い傾向があります。
しかし、今ではグリッド無しと大きく相場も変わらず、中古高級モデルとして安いと感じる価格帯となっています。
グリッドという存在は、「プールで泳げる時計が欲しい」というパシャ誕生のストーリにも関連するといえるわけで、その歴史的正当性と機能性があるといえます。
そういった意味では、グリッドは、腕時計ファンとしては無視できない要素だといえ、安く買える今、検討してもよいのかもしれません。