アクアノートといえば、第一世代には5066と5065の2サイズ(メンズ)があった一方、現行世代となると、なぜだか5167のみという印象があるといえます。
しかし、実は現行世代にも当初は2つのサイズが存在。5167の他に、5165があったのです。
第一世代では、ミディアムとラージだったのが、現行世代となるとラージとエクストララージとサイズが大型化。また、第一世代にはブレスレットがどちらのサイズにもありましたが、現行世代からはエクストララージのみとなりました。
そういったことから、5165という存在は影が薄く、3年前の段階では特に人気といえる様子は全くなかったのです。
3針アクアノートの価格序列は、サイズが大きいほど高く、ラバーベルトよりブレスレットのほうが評価される傾向があったため、現行世代の価格序列は『5165A<5167A<5167/1A』となっていたわけです。
しかしその後、アクアノートには異変が生じます。3年ほど前の段階で、特に珍しいと感じなかった5165Aの中古売出しが少なくなり、3針の現行世代で売り出されているのは5167だけという印象となったのです。
そして今、5165Aの中古は複数売られている状況となっているのですが、その価格帯は過去と比較してかなり大きく変化しています。
2017年の段階で約159万円だったのが、今ではなんと約422万円という水準。この3年間でなんと260万円程度の値上がりとなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年1月 の安値(楽天) |
2020年2月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
アクアノート 5165A |
中古 | 3年 1ヶ月 |
¥1,598,400 | ¥4,220,000 | 2,621,600 | 264.01% |
2017年から2020年にかけて、アクアノートには大きな出来事がいくつかありました。
その1つは、アクアノートに限らず2017年から中古腕時計がより高くなったという点。ただこれは、当初3針アクアノートにはあまり影響がなく、目立って値動きしていたノーチラスとは異なり、大きな動きとはなっていませんでした。
それどころか、その頃5167/1Aの中古水準は2014年以下となっており、3針アクアノートはあまり目立って評価されていない印象だったといえます。
それが2018年になると、5167/1Aは2014年水準を上回り、以降、3針アクアノートは目立って上昇するようになったのです。
そういったことを考慮すると、2017年に150万円台だった5165Aが400万円台となるのは、驚く事例でないとなりそうなところですが、実はそうでもありません。
それは、他の現行世代アクアノートの現在相場を見ると分かるのですが、5167/1Aは360万円台という状況であるのです。
5167/1Aは2019年上半期に上昇した後、夏頃から値下がり状態ですが、2019年上半期のピーク時を例にしても約405万円。ピーク時ですら、5165Aほどの水準には至っていないのです。
それに対してこの5165Aは422万円というボトム価格ですから、現行世代の3針SSアクアノートとしては、最高値といえるでしょう。
3年前まで特にレアモデルという印象のなかった5165Aですが、2020年の今となっては、はっきりレアモデルとして評価されるようになったのだと思います。