憧れのパテックフィリップといえば、2010年代中盤までコンプリケーションという印象がありましたが、そのポジションは今ではノーチラスに変化したといえるでしょう。
そういった影響はインスタグラムを見ていても感じ、海外のセレブらしきアカウントの投稿でもノーチラスが目立つ一方、コンプリケーションはあまり見かけません。
そういったことからか、ワールドタイムの近頃の値動きは、ずいぶんな下落傾向となっており、2018年8月との比較では43万円ほどの下落となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年8月 の安値(楽天) |
2020年2月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ワールドタイム 5110R-001 |
中古 | 1年 6ヶ月 |
¥3,218,400 | ¥2,780,000 | -438,400 | 86.38% |
ワールドタイムは、2016年頃から乱高下が激しいという印象がありましたが、それは今でも変わらないと感じます。
実はこの時計、2015年8月水準は320万円だったのですが、2016年に値下がりして以降、なかなかその水準に戻りませんでした。
それが2018年8月に約321万円となったことにより、「ようやく2015年水準以上」ということが達成されたわけですが、それから1年半後の今、再び値下がりへと転じてしまっています。
ワールドタイムと同じように、アクアノートも2014年の水準をなかなか回復しなかった傾向がありましたが、そちらも2018年に「2014年以上」となっています。
アクアノートは、それ以降、さらなる上昇傾向となっていったわけですが、その一方でこのワールドタイムはあまり目立った値動きをせず、それどころか再び2015年以下の水準にまで値下がりしてしまっている状況となっています。
ちなみに、このワールドタイムの5110は、2000年に登場した近代的ワールドタイムの第一世代にあたり、このRGのほかに、YG、YG、Ptが存在します。
これまで、Ptを除くとRGが最も高い傾向があったといえますが、今なぜかRGが最も安いという状況。5110Gや5110Jよりも、この5110Rのほうが安いのです。
そういった意味では、5110Rの現在水準はこれまでの事例では見られない価格序列だといえます。
ただ、他の5110の値動きも目立って上昇しているとはいえないため、やはりワールドタイムは全体的に上昇しない印象があります。
ワールドタイムのようなパテックフィリップらしい特徴を備えた機能は、かつては憧れの対象だったといえますが、それは、年次カレンダーも同様でした。
しかし、今の時代では、ワールドタイムも年次カレンダーも特に評価されている印象はなく、多くの人に憧れられる存在感ではないとも感じます。
ただし、ワールドタイムには強い要素が無いというわけではなく、年次カレンダーより有利なポイントがあるといえます。
年次カレンダーの場合、今ではノーチラスにもラインナップされていまが、ワールドタイムは他モデルへの展開がありません。
ですから、ワールドタイムは、歴代ワールドタイムの中から選ぶということになり、唯一無二的な印象があります。
また、かつてのこの5110が登場するまで、ワールドタイムという存在は、幻のグランドコンプリケーションだったわけで、かなり強い要素があります。
そして、そういった要素に加えてGMT機能という便利さがあるため、何かと優秀な要素の腕時計だといえます。