2000年代に登場したゴンドーロの5111Gは、比較的新しい世代のパテックフィリップながら安価に購入可能という側面があり、これまでお得感が強い印象がありました。
また、2017年1月と2019年2月の比較では、2019年2月水準のほうが2万円ほど安値となっており、あまり値動きしなかった傾向もあったのです。
2017年1月と2019年の比較という場合、パテックフィリップの腕時計では数十万円単位の上昇ということも珍しくなく、そういった動きは“革ベルトのドレス系”にも該当します。
それに対して、ゴンドーロ5111Gは2万円の下落という様子だったため、ほぼ変わっていないといえたのです。
そんなゴンドーロ5111Gですが、そのような状況から1年後の今、かなり様子が変わってきています。
2020年2月現在、ゴンドーロ5111Gのボトム価格は145万円となっているのですが、これは2019年2月と比較して、なんと17万円の値上がり状態。
やっとゴンドーロ5111Gも、値動きする様子になったといえるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年2月 の安値(楽天) |
2020年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ゴンドーロ 5111G |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥1,280,000 | ¥1,450,000 | 170,000 | 113.28% |
ゴンドーロは、角型を中心としたパテックフィリップのドレス系カテゴリですが、これまであまり目立って上昇する印象はなく、特に5111Gにはそういったことがいえたと思います。
5111というモデルは、2002年頃に登場したのですが、それまでのゴンドーロに対して「新しさ」を売りにしたような見た目となっています。
筆者としては、そういったデザインは好きなのですが、市場ではこのようなモダンさはあまり人気とならないようで、5111Gはこれまで2000年世代のパテックフィリップとしては、比較的安価なポジションに位置していました。
5111Gは世代的には5196と近いといえますが、現在、5196Gのボトム価格は約173万円。5111の現在水準をもってしても、ずいぶん離れた価格帯に位置するわけです。
5196は最もベーシックなラインともいえ、このゴンドーロと同じく手巻きムーブメントが採用。ちなみに、5196全体のボトム価格は5196Jの約152万円ですが、それを基準としてもこのゴンドーロ5111Gは安いわけです。
ですから、5111Gは珍しく目立った上昇となった現在においても、他の同世代パテックと比較すると依然としてお買い得な価格帯に位置するともいえるのです。