腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

リューズガード風デザインが不人気だった、パテックカラトラバ5107

2016年6月18日更新
パテックフィリップのカラトラバについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2009年9月の安値(ヤフオク)と2016年6月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この6年9ヶ月での変動は¥1,077,450だった。

カラトラバ 5107Jについての考察(2016年6月)

ワールドタイム5110と同じ2000年のバーゼルで発表されたカラトラバ5107。カラトラバというドレスウォッチリューズガードのようなものをつけたデザインは時計ファンからあまり評価がよろしくなかったため、長らく不人気だったこの時計。しかし、実物を触るとギュっと凝縮された精密な世界が感じられ、ツヤっとした文字盤がさらに良さを助長させている良い時計です。

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2009年9月
の安値(ヤフオク)
2016年6月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
カラトラバ
5107J
中古 6年
9ヶ月
¥1,082,550 ¥2,160,000 1,077,450 199.53%

2000年代前半に現役だった5107。当時、カラトラバといえば手巻きの3796というイメージが強かったのです。

しかし、この5107は自動巻の機械(キャリバー315)+裏スケという内容。

そういう内容が示す通り、3796より1つ高級なカラトラバとしてのはずだったのです。

しかし、高級なカラトラバが欲しい人は、同じく裏スケ+自動巻(キャリバー240)搭載の5000のほうが欲しかったよう。

よってこの5107は37965000に挟まれ不人気だったのです。

不人気の理由はそれだけではありません。

カラトラバといったらスモールセコンドというイメージが強く、37965000もスモセコ搭載なのに、5107は三針

しかも、見た目が当時新品が10万円台で流通していたオメガシーマスター120mと似ているではありませんか。

そんなこともあって不人気とされたカラトラバなのですが、生産数じたいが少ないために、相場は5000より極端に安いってことはありませんでした。

キャリバー240を搭載する50005026も、この5107も大体当時の相場は新品で約130万円ぐらい。

その後の中古価格の推移もそんなに大差はありません。

しかし、最近5107だけが飛び抜けて高くなっているのです。

5026が約130万円なのに対し、5107は200万円以上もするではないですか!

よって、5107、プチコンのようにわかりやすくもなく、シンプルな3針というある意味地味なモデルですが、かなり高値になっているので持っている方、売りどきかもしれません。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。