2000年にチタンのレギュラーモデルとして登場したPAM00061。
この時計がデビューする前年の99年に、同じような内容のPAM00036という限定モデルが出ていましたが、それを通常版としたのがこの61番だといえます。
そういった意味では、ルミノールクロノの52番と72番の関係性に近いといえ、61番という存在が評価されていて不思議でないと感じるところですが、デビュー当初の印象はそうではありませんでした。
日本では2002年頃、パネライが腕時計マニアを中心に大ブームとなったといえますが、そのような際、最も入手難易度が低かったといえるのがこの61番だといえます。(ルミノールマリーナ、ベースにおいて)
なぜ、そういったことがいえるかというと、当時筆者がこれを買ったからなのですが、本当は1番や2番が欲しかったけど、入手難易度が高かったから61番を買ったのです。その頃、特に2番はプレミア価格で高い状況だった一方、61番は定価より安い水準で購入可能でした。
しかし、2000年代後半頃となるとそのような様子ではなくなっており、61番は1番などより高い価格帯となっていたように価格序列が変わっていました。
ちなみに、40mm青文字盤のPAM00069も2009年頃に50番などより評価されていましたが、それもまた2002年頃にはブレスレット最安値といった印象がありました。
この61番や69番に共通するのは、サテン仕上げ、やや特徴のある文字盤色といった点ですが、そういった非オーソドックスさが当初は評価されなかったのが、後になって評価されたという感覚があります。
なお、この61番の元となったといえるPAM00036ですが、その相場は300万円以上といったところ。ですから、61番の見た目は近年のトレンドだと評価されるのかもしれません。
さて、そういった意味では、この61番は2020年3月の今、さらなる評価となっても不思議ではないといえるわけですが、いざ今の相場を見てみると拍子抜けしてしまう様子となってしまっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年3月 の安値(楽天) |
2020年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ルミノールマリーナ PAM00061 |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥486,000 | ¥408,000 | -78,000 | 83.95% |
なぜなら、この61番は1年で8万円程度の値下がりとなっているからなのですが、値下がり額よりも約40万円という現在水準のほうがインパクトが強いと感じます。
この時計は、2016年7月に約46万円、2019年3月に約48万円という水準だったため、今の水準は2016年7月より安いのです。
ちなみに、アベノミクス以前はどういった水準だったかというと、2012年5月が約36万円という水準でした。
ですから、現在水準は多くの腕時計が安かった2012年水準と比較しても4万円ほどの差しかないわけで、2009年頃からの61番水準を見ると目立って安くなったと感じるわけです。
なお、現在PAM00001はどういった様子かというと約43万円。少なくともこの4年ほど、61番は1番より高かったのですが、今や1番より安いという状態となっているのです。