アクアノートの「青文字盤」といえば、レアというイメージだといえます。
その理由として、従来青文字盤は日本で少数が販売された限定モデルだったからなのですが、近年では通常モデルにも「青」が設定。とはいえ、それはWGモデルであるため、いずれにしても特別感のあるキャラクター性だといえます。
アクアノートの初代青文字盤は5066Aですが、それが発売されてから、この5168Gが出るまで青文字盤は、十数年に渡ってラインナップされていませんでした。
そのため、5168デビュー以前のほうが「青文字盤」という要素はレア感が高かったといえるのですが、実は相場的にはそういったことはなく、むしろ5168Gデビュー後のほうが「青文字盤=レア」という認知度が上がったといえます。
5168G以前、青文字盤5066Aの相場は黒文字盤に対してそれほど高い水準ではなく、特に2010年頃では「目立って大きく変わらない」といえたほどだったのです。
しかし、この5168G-001がデビューした2017年以降、青文字盤5066Aは目立って上昇。今では黒文字盤と100万円の価格差となっていても不思議ではない状態となっています。
そういった意味では、「青文字盤」の認知度を向上させたのが、この5168G-001だといえるかと思います。
このモデルが登場したのは2017年ですが、アクアノートのデビューは1997年。ですから、アクアノートデビュー20周年を記念したモデルだといえます。
そういった特別感や、シリーズ初となるWGという素材。及び、幻だった「青文字盤」の採用という要素が、分かりやすい特別感を演出しており、デビュー時から注目度の高いモデルでした。
デビュー年の新品実勢価格は500万円台だったと記憶していますが、翌年5月の中古でも約545万円という水準となっています。
当時の500万円台という水準は、ノーチラス5711/1Rに近かったといえるため、この5168Gはかなり高かったと感じました。
5711/1Rは、ブレスレット仕様であるのに対し、この5168Gはラバーベルト。通常ブレスレットとラバーベルトでは、ブレスレットのほうがずいぶん高いはずですし、当時の相場もノーチラスとアクアノートは離れていました。
ですから、ノーチラス5711/1Rに近かった5168Gの相場は「かなり評価されている」といえたわけです。
さて、そんな5168G-001ですが、最近はどうなっているのでしょう。
このところの出来事といえば、この5168Gへ「緑文字盤」という新たな存在が加わったことなどがあるため、デビュー時に十分評価されていた青文字盤は特に目立った動きがなくても不思議ではありません。
しかし、この5168G-001はしっかりと動いており、2018年5月と2020年3月との比較では100万円以上の上昇となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年5月 の安値(ヤフーショッピング) |
2020年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
アクアノート 5168G-001 |
中古 | 1年 10ヶ月 |
¥5,458,000 | ¥6,578,000 | 1,120,000 | 120.52% |
なお、この記事の個体は600万円台という水準ですが、その他はすでに700万円以上に達しています。
そういった意味では、実際の相場は更に上といっても差し支えないかと思いますが、600万円台のボトム価格を対象としても、十分値上がりしていると感じます。
とはいえ、ノーチラス5711/1Rのほうは今や1000万円以上という水準。5168Gはしっかり値上がりしたものの、ノーチラスとの価格差は以前より広がっています。