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現在相場考察

SSパテックかつコンプリケーションは激レアだが、5085/1A

2020年3月16日更新
パテックフィリップのについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年1月の安値(楽天)と2020年3月の安値(ヤフーショッピング)を比較し現在相場を考察。この2年2ヶ月での変動は¥-4,000だった。

コンプリケーション 5085/1A-001についての考察(2020年3月)

ステンレスの腕時計といえば、「レア」という印象はありませんが、パテックフィリップに関してはそうでありません。

ノーチラスアクアノートを除くとほとんどラインナップされていないといえますし、流通量も少ないといえます。

ノーチラスアクアノートが人気となったのは、この10年ぐらいにおいてだといえますが、そういった時代より前でも、SSパテックは「数が少ない」と言われていました。とはいえ、定価より安価な新品が流通していても、だれも見向きもしていませんでした。

筆者は、まだ不人気な頃に、アクアノートノーチラスも買いましたが、誰からもうらやましがられることが無かった一方、パテックフィリップに詳しい人からは「ステンレスは珍しい」と言われたことがあります。

ですから、ステンレスのパテックフィリップという存在は、ラインナップ数の少なさという観点だけでなく、流通が少ないということもあり、なにかとレア感が高いのです。

そして、コンプリケーションとなるとSSはさらにレア。ただ、近年ではノーチラスコンプリケーションモデルがラインナップされるようになったため、以前と比べて「SSのコンプリケーションパテック」は少数派ではなくなりました。それでも、特別感は失われていないと思います。

実際、ノーチラスコンプリケーションモデルは、現在600万円以上という中古水準となっているため、価格的に特別感は十分あるといえるでしょう。

さて、そういったこともあり、コンプリケーションのSSはなにかと高い印象がありますが、実はあまり高くないモデルも存在します。

それこそが、この5085/1Aなのですが、このモデルは2018年1月から2020年3月までの約2年間でほぼ値動きしていないのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年1月
の安値(楽天)
2020年3月
の安値(ヤフーショッピング)
変動額 残価率
パテックフィリップ
コンプリケーション
5085/1A-001
中古 2年
2ヶ月
¥2,050,000 ¥2,046,000 -4,000 99.80%

5085/1Aは、2016年⇒2017年ではそれなりに値動きしているという印象でしたが、2017年以降は200万円前後といった水準に位置する印象です。

SSコンプリケーションという存在はかなりレア感が高いのにも関わらず、価格序列的にも2017年頃からの値動きでも、5085/1Aはあまり評価されていないという印象になります。そうはいっても、視点によって「評価されている」とも「いない」ともいえます。

なぜなら、同じ世代の5055との価格差を見ると、今、あまり大きな差が無いといえるからなのですが、かつてであれば金無垢の5055とSSの5085にはそれなりの差があったのです。

ですから、5055との価格差という観点では、かつてよりも評価されているといえます。

とはいえ、SSのコンプリケーションというレア要素を持ちながら、2018年から大きく相場が変わっていないという点は、やはり「評価されていない」という印象になります。

そういった意味では、この5085/1Aというモデルは、SSコンプリケーションというレア要素を持ちながら、コンプリケーション最安値といえる水準で購入可能であるため、注目すべき1本だと感じます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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