ステンレスの腕時計といえば、「レア」という印象はありませんが、パテックフィリップに関してはそうでありません。
ノーチラスとアクアノートを除くとほとんどラインナップされていないといえますし、流通量も少ないといえます。
ノーチラスやアクアノートが人気となったのは、この10年ぐらいにおいてだといえますが、そういった時代より前でも、SSパテックは「数が少ない」と言われていました。とはいえ、定価より安価な新品が流通していても、だれも見向きもしていませんでした。
筆者は、まだ不人気な頃に、アクアノートもノーチラスも買いましたが、誰からもうらやましがられることが無かった一方、パテックフィリップに詳しい人からは「ステンレスは珍しい」と言われたことがあります。
ですから、ステンレスのパテックフィリップという存在は、ラインナップ数の少なさという観点だけでなく、流通が少ないということもあり、なにかとレア感が高いのです。
そして、コンプリケーションとなるとSSはさらにレア。ただ、近年ではノーチラスにコンプリケーションモデルがラインナップされるようになったため、以前と比べて「SSのコンプリケーションパテック」は少数派ではなくなりました。それでも、特別感は失われていないと思います。
実際、ノーチラスのコンプリケーションモデルは、現在600万円以上という中古水準となっているため、価格的に特別感は十分あるといえるでしょう。
さて、そういったこともあり、コンプリケーションのSSはなにかと高い印象がありますが、実はあまり高くないモデルも存在します。
それこそが、この5085/1Aなのですが、このモデルは2018年1月から2020年3月までの約2年間でほぼ値動きしていないのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年1月 の安値(楽天) |
2020年3月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
コンプリケーション 5085/1A-001 |
中古 | 2年 2ヶ月 |
¥2,050,000 | ¥2,046,000 | -4,000 | 99.80% |
5085/1Aは、2016年⇒2017年ではそれなりに値動きしているという印象でしたが、2017年以降は200万円前後といった水準に位置する印象です。
SSコンプリケーションという存在はかなりレア感が高いのにも関わらず、価格序列的にも2017年頃からの値動きでも、5085/1Aはあまり評価されていないという印象になります。そうはいっても、視点によって「評価されている」とも「いない」ともいえます。
なぜなら、同じ世代の5055との価格差を見ると、今、あまり大きな差が無いといえるからなのですが、かつてであれば金無垢の5055とSSの5085にはそれなりの差があったのです。
ですから、5055との価格差という観点では、かつてよりも評価されているといえます。
とはいえ、SSのコンプリケーションというレア要素を持ちながら、2018年から大きく相場が変わっていないという点は、やはり「評価されていない」という印象になります。
そういった意味では、この5085/1Aというモデルは、SSコンプリケーションというレア要素を持ちながら、コンプリケーション最安値といえる水準で購入可能であるため、注目すべき1本だと感じます。