ミルガウスといえば、ここ最近のイメージとして「人気モデル」という印象ではないといえます。
実際、入手難易度も低いといえ、ロレックス正規店で見かける確率が高いという意見もあるぐらい。また、中古相場についても、そこまで目立った値動きをせず、価格序列の観点でもそれほど高いとは感じません。
特にそういった印象だったのは白文字盤だといえますが、なぜかというと、これまで、6桁ミルガウスの中で最も安かったからです。
2017年上半期において、黒文字盤が50万円台中盤だったならば、白文字盤は50万円台前半という様子。「116400」を安い順で検索すると、そこに並んでいるのは白文字盤だったわけです。
しかし今、そういった様子に異変が起こっています。
なぜなら、現在116400の安い価格帯にいる個体の多くは、黒文字盤。白文字盤はそこにありません。
現在、116400のボトム価格は約70万円ですが、白文字盤のそれは、なんと77万円。白文字盤のほうが7万円も高いのです。(2020年3月10日現在)
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年7月 の安値(ヤフーショッピング) |
2020年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
ミルガウス 白文字盤 116400 |
中古 | 0年 8ヶ月 |
¥708,000 | ¥770,000 | 62,000 | 108.76% |
白文字盤は、これまでのミルガウスの値動きからすると、以前より目立っている印象で、2019年7月から2020年3月までの9ヶ月間で6万円ほどの値動きとなっています。
2019年7月に「70万円台になった」ということに驚きましたが、白文字盤は今や70万円台後半にまで上昇しているのです。
さて、ミルガウスといえば、デビュー時はSSデイトナを凌ぐほどの実勢価格というほど、凄まじい人気度だったわけですが、その時代から、長らく白文字盤はミルガウスの中で最も安い水準でした。2007年のデビューから2019年頃まで白文字盤は最も安価なミルガウスという存在だったわけです。
では、いつから白文字盤のほうが高くなったのかというと、それは2019年7月だといえます。
その際、116400が70万円台になったということをお伝えしましたが、その116400は黒文字盤ではなく白文字盤だったのです。
それまで、116400は先に黒文字盤が動く傾向だったのに、そのときは白文字盤のほうが先に70万円台に達していたため、これが白文字盤と黒文字盤の価格序列のターニングポイントだったといえます。
そして、今ではその価格差は7万円程度。目立って白文字盤のほうが評価されている様子に変化しているのです。
しかし、なぜ白文字盤が評価されるようになったのかはわかりません。
116400は黒文字盤、白文字盤ともに生産終了していますが、白文字盤のほうが長くラインナップされました。もしも、今のタイミングで白文字盤が生産終了となったなら、黒文字盤より高くなるというのは分かります。
けれども、白文字盤が生産終了となったのは2017年頃。ですから、特に大きなニュースがないのに、黒文字盤よりも高い評価となった白文字盤は、興味深い値動きをしていると感じます。