2010年にカルティエから男性向けのシリーズとしてデビューしたカリブルドゥカルティエ。
その名の通り、自社製ムーブメントを売りにしたモデルで、それまでのカルティエのイメージを覆す存在感だったといえます。
このカリブルが登場するまで、カルティエという腕時計ブランドには「自社製ムーブメント」というイメージがなかったわけで、「カルティエが自社製ムーブメント搭載モデルを出した」という意外性が新鮮だったといえます。
とはいえ、このカリブル以前にも、カルティエには自社製ムーブメントを搭載したモデルが存在。それには、タンクアピスが該当しますが、CPCPという特殊な高級ラインナップでした。
タンクアピスはマス向けとはいえないキャラクターでしたが、このカリブルドゥカルティエはロレックスやオメガを買おうとしている方々に迷われる存在感となっていたように思います。
しかし、近年、カリブルドゥカルティエのインパクトは、以前よりも強く感じず、あまり話題になることも少ない印象です。
そういったことは、中古相場を見ても感じるのですが、2019年2月と比べるとこのモデルは4万円ほどの値下がりとなっています。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年2月 の安値(楽天) |
2020年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
カリブルドゥカルティエ W7100016 |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥478,000 | ¥433,620 | -44,380 | 90.72% |
カリブルドゥカルティエのW7100016は、SSブレスレットという内容であるため、カリブルの中核を担うモデルだといえますが、2017年以降40万円台という中古水準に位置している様子です。
ただ、2017年⇒2019年では5万円ほどの上昇となっており、その際約47万円という水準に達していました。
このW7100016は、2014年の中古が約62万円という水準だったため、2019年時点の評価でもそれと比べると目立った値上がりとはいえませんでした。それでも、2017年と比べて上昇傾向となった点は印象に残りました。
しかし、それから1年経った今では、再度40万円台前半という水準になっており、2017年とほぼ同じ水準に戻った印象です。
カリブルドゥカルティエというモデルについて思うのは、2014年頃までと今とでは、時代が変わったという点です。
2010年頃といった時代では、ユーザーが「新しいモノ」に興味を向けるように思いましたが、今の時代では「歴史ある」だとか「普遍的なモノ」に興味があると感じます。
そして、カルティエも長寿モデルのサントスガルベの新モデルを出すなど、「普遍的なモノ」への力を入れている様子があり、カリブルのように新しい価値観を打ち出したモデルは、あまり注目されない時代なのではないかと思います。
さらに、「新しい価値観」といっても、カリブルは今年でデビュー10周年。このW7100016が出たのは2011年ですから、まだ10年経過していませんが、いずれにしても、新しくもなく古くもないという時期であるのは確かでしょう。
そういったことを考慮すると、2017年以降、W7100016が40万円台をキープしているということは、実は優秀なのかもしれません。