1997年、ブルガリはソロテンポを発表しましたが、このシリーズは最も廉価なモデルという役割を担っていました。
当時のブルガリの価格帯は、新品実勢価格の観点ではロレックスと同程度。定価だとロレックスより上という価格帯という印象でした。
またその時代、日本では腕時計ブームが起こっていましたが、ブルガリというブランドは、カルティエ、オメガ、ロレックスなどとともにメジャーな存在だったといえます。
それらブランドの価格序列は、ロレックス>カルティエ=ブルガリ>オメガといったところ。例えば、ブルガリで人気があったスポーツクロノの新品実勢価格は、当時ロレックスで大人気だったエクスプローラー14270と同水準でした。
そのような印象だったブルガリが、当時のオメガ並の価格帯で出したのが、ソロテンポ。ですから、かなり異色な存在だったといえます。
今でも昔でも、上級ブランドが「あえて下の価格帯」のモデルを出すという現象は、珍しいといえるでしょう。ただ、このソロテンポが登場した97年という時代は、腕時計に限らずそういったことがヨーロッパで流行っていたともいえます。メルセデスベンツがAクラスを導入したのも97年です。
さて、97年にデビューしたソロテンポには、
というサイズ、
というカラーバリエーション
というストラップの展開があり、クォーツムーブメントが搭載されていました。
ちなみに、ソロテンポは廉価モデルですが、ブルガリはこういったキャラクターにもK18を展開する傾向があり、実際、ST35GというYGモデルがラインナップされています。
今回お伝えするのは、SSモデルの「メンズ、黒文字盤、ブレスレット」という内容ですが、この組み合わせのソロテンポは、ここ10年ぐらい、おおよそ5万円前後ぐらいで買えるという印象があります。
ただ、時期によっては4万円台である一方、6万円台まで上昇することもあります。
前回お伝えしたのは、2017年12月ですが、その際ソロテンポは6万円台といった様子でした。
しかしそれから2年少しが経過した2020年3月の今、ソロテンポは5万円台で購入できる状態となっています。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年12月 の安値(楽天) |
2020年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ブルガリ
ソロテンポ 黒文字盤 ブレスレット ST35S |
中古 | 2年 3ヶ月 |
¥64,800 | ¥54,780 | -10,020 | 84.54% |
ソロテンポの値動きは、この2年少しで1万円の値下がりですが、残存価額の観点では84%となり、なかなか目立った動きという側面もあります。
とはいえ、このぐらいの価格帯となると、6万円台⇒5万円台となることは珍しくないといえ、2017年も今も「おおよそ5万円前後」という表現もできるかと思います。
ちなみに、2011年1月の段階でも、このソロテンポは6万円台だったのですが、その時代と今とでは、腕時計の相場は大きく変わっているといえます。
しかし、ソロテンポの場合、2011年といった“相場全体が安い時期”でも、“高い”と言われる今の時代でも、そこまで大きく変わらないのです。
ソロテンポは、ブルガリの廉価モデルとしてデビューしたモデルですが、その独特のカジュアルな雰囲気が、どこかフランス車のような魅力を放っていると感じます。
ですから、この世代のソロテンポには良い要素があると感じ、5万円程度といった選択肢としてはなかなか気になる1本だと思うわけです。