2000年代前半という時代、アクアノート5065/1Aと同水準、もしくはやや高めといった水準だったオーバーシーズクロノグラフ。
3針のオーバーシーズのケースサイズは、ラージでも38mmだったのに対し、クロノグラフとなると40mm。また、3針にはクォーツがあったのに対し、クロノグラフは機械式のみで、デイト表示も異なる仕掛けが採用されていたのです。
そういったことから、49140/423A-8790には特別なイメージがあり、当時アクアノート5065/1Aを所有していた筆者目線でも「憧れる」と感じたわけです。
けれども、そんなオーバーシーズクロノグラフは、ここ数年の相場では、あまり目立った動きがなく、相対的に「高い」という印象もありません。
値動きしていなかったわけではないのですが、10万円以上の動きとなることはありませんでした。
また、2016年以降はほぼ値動きしていなかったといえ、長らく100万円前後という価格帯に位置していたのです。
オーバーシーズクロノグラフが今の時代に100万円前後で買えるということは、この時計のキャラクターからして安いといえたため、そういった状況は早い段階で変化するのではと思われました。しかし、3年以上に渡って大きな変化が無かったため「?」な状況だったといえます。
まして、2019年には黒文字盤に大きな変化があったわけで、この49140/423A-8790が動かなかったというのは、まさに不思議だったといえます。
そうなると、もう49140/423A-8790は値動きしないのでは、といったムードにもなります。
しかし、2020年3月の今、なんと49140/423A-8790が大きな動きとなっているのです。
現在、49140/423A-8790は約116万円という水準なのですが、これは2019年7月と比べて11万円ほどの上昇。
49140/423A-8790は長らく10万円以上という値動きがなかったわけですから、今の動きは久々な値上がりといえるわけなのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年7月 の安値(ヤフーショッピング) |
2020年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ヴァシュロンコンスタンタン
オーバーシーズクロノグラフ 49140/423A-8790 |
中古 | 0年 8ヶ月 |
¥1,048,000 | ¥1,163,750 | 115,750 | 111.04% |
最近の相場といえば、2019年夏から始まった値下がりに加え、新型コロナウィルスによる懸念があるといえます。
しかし、そういった不利な状況な中で、このオーバーシーズは不思議と値上がりしているのです。
なお、アクアノートやロイヤルオークなどは、2019年夏以前から値下がり傾向となり、上昇しているといった感じではありません。また、ここ数ヶ月は相場が特に変わらないという感覚があります。
ですからオーバーシーズクロノグラフは、脈絡もなく値動きするといった印象になるわけですが、そういった動きは、他のオーバーシーズでもあるのです。
それこそが、このモデルの後継にあたる、第2世代のクロノグラフなのですが、2019年10月に4月水準より高くなったため「あまのじゃくな値動き」と表現しました。ちなみに、今でも10月水準と大きく変わらないため、一時的な現象ではなかったことが分かります。