ノーチラスの人気モデルといえば、5711/1A青文字盤ですが、そちらがまだ300万円台だった時代に400万円台という水準だったのが、この5800/1Aです。
5800/1Aはミディアムサイズのノーチラスなのですが、なぜ5711/1Aより評価されたのかというと、このモデルは「レア」だから。このモデルは裏スケ仕様であるのですが、2ピース構造が採用されており、ノーチラスの伝統が備わっているのです。
ノーチラスには2005年頃から裏スケが採用されましたが、5711など多くのモデルは裏スケ化と同時に、一般的な腕時計と同じ3ピース構造となりました。
ですから、裏スケ化と引き換えに2ピース構造といった伝統を失ったといえるわけです。
とはいえ、裏スケは魅力的ですし、2ピース構造はノーチラスのアイデンティとして重要な要素。その2つを同時に楽しめる存在は数えるほどしかなく、シンプルなモデルとなるとこの5800/1Aぐらいしかないのです。
ですから、5800/1Aという存在は、特別感のある存在であり、3712/1Aや3711/1Gと並んで「三大レアノーチラス」の一つだといえるのです。
しかし、そういった要素とは逆に、近年では値下がり傾向となっており、相場も5711/1Aに抜かされてしまっています。
最初にそういったことを確認できたのは、2019年5月だったのですが、その際この5800/1Aは若干の下落傾向だった一方、5711/1A青文字盤は大幅な上昇となっていたのです。
そして、それ以降5800/1Aは乱高下気味となります。2019年5月に約688万円だったのが、7月に約782万円にまで上昇。そうかと思ったら、9月には598万円にまで下落してしまったのです。
その際、5711/1A青文字盤も値下がりとなっていましたが、それでも700万円台という水準に位置していたため、500万円台となったこの5800/1Aとはかなりな差という印象になってしまいました。
さらに、それからしばらくの間、この5800/1Aの相場が動かなかったため、なんだか地味な存在感となっていたようにも感じます。
けれども、そんな5800/1Aは今、久々に上昇傾向となっている様子であり、その相場は648万円という状況。2019年9月水準に対して50万円の上昇となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年9月 の安値(ヤフーショッピング) |
2020年3月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 5800/1A-001 |
中古 | 0年 6ヶ月 |
¥5,980,000 | ¥6,480,000 | 500,000 | 108.36% |
5800/1Aは回復傾向であるものの、現在水準は2019年7月の約782万円に全く届いておらず、依然としてレアノーチラスとしては安価だといえる状況だといえます。
2019年5月頃まで、5800/1Aという存在は5711/1A青文字盤よりも100万円程度高いといった存在感があったのですが、今や100万円ほど安いという価格帯。
レアノーチラスということが、なぜか評価されなくなっているのです。
なお、この5800の前モデルにあたる、3800/1Aは近頃値上がり傾向。不思議と5800/1Aだけが評価されていない状況だといえます。
この5800/1Aというモデルは、コレクター目線だと“かなり強いモデル”といえるため、現在水準はなかなか魅力的だといえるのではないでしょうか。