現在、世界的に問題になっている新型コロナウィルス。それが、腕時計市場にどのような影響を与えるのかという点について、多くの方々が気になっていることだと思います。
ということで、今回は116500LN白文字盤という、現代における「腕時計王様」的存在からそのことを考えてみましょう。
現在、116500LN白文字盤の中古ボトム価格は、約226万円といった水準。これは2019年10月と比べて、29万円の下落状態であり、なかなか安くなっていると感じる価格だといえます。
ちなみに、2019年10月の値動きも、2019年6月と比べると32万円ほどの下落。ですから、2019年6月と比べると、現在の116500LNは60万円以上の値下がり状態だといえます。
とはいえ、この226万円という白文字盤のボトム価格は他より目立って安いという側面もあります。
実際、この個体次に安いものを並べると230万円台が2点、240万円台が1点となり、250万円台が10点以上。そういった意味では、250万円台を相場と判断することもできます。
しかし、それをもってしても2019年10月のボトム価格より安いことに違いはないわけで、現在相場が「下落」ということに違いないのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年10月 の安値(ヤフーショッピング) |
2020年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
デイトナ 白文字盤 116500LN |
中古 | 0年 6ヶ月 |
¥2,559,000 | ¥2,266,906 | -292,094 | 88.59% |
こういったことと、現在の「コロナショック」という言葉が重なると、腕時計市場も大きな影響を受けているといったようなことを漠然と考えてしまうかもしれません。
しかし、コロナショックなる現象は、腕時計市場には起こっていないといえます。
なぜなら、現在の値動きがショックというほどの動きでないからです。2008年のリーマンショック時は、ミルガウス116400GVがものすごい下落となりましたが、そのような分かりやすい動きは今の所ありません。(詳しくはこちらの記事をご覧ください)
まして、現在の下落幅は2019年夏と比べても弱いという側面もあるわけです。
ただ、コロナウィルスの影響がないかというと、そんなことはないでしょう。
なぜなら、2020年に1月後半頃に見られた回復傾向が再度値下がりになったからです。
では、116500LN白文字盤の現在相場は「どの時期と同じ水準」なのかというと、2018年1月と同等だといえます。
2019年夏以降の値下がりでは「2018年以下の水準にはなっていない」と表現できたのが、2018年1月と同等となっている。これは以前よりも、値下がり影響が大きくなったといえますが、ショックというほどではありません。
リーマンショックのときは、それまで見たことのない相場になったというぐらいの値下がりとなっていましたが、それを現在に当てはめると116500LNは、過去最安値になっても不思議ではないわけです。
このようなことからすると、コロナウィルスによる値下がりトレンドは「ある」が、リーマンショック時のような下がり方はしていないといえます。
以上のことから、現在相場は、値下がり傾向であるものの、「ショック」というほどの下落ではないということがいえます。