現行当時は、それほど注目されるようなモデルでもなく、価格帯も至って普通(カラトラバとしては)といった印象だった5107。
当時の定価はカラトラバ5000よりも安く、注目度も5000のほうが高かったといえます。
というよりも、この5107は極めてオーソドックスな存在といった感じで、「人気か否か」ということを問う事自体がなかったともいえるでしょう。
しかし、そんな5107は2010年代に入ると以前とは全く異なる評価となったのです。
2016年6月には216万円という水準だったのですが、その頃5000は120万円台という水準でした。この時期、5000と5107は100万円近くの相場差となっていたわけですが、これらが現行だった時代の常識からすると、そのような差となるのは驚くべき現象だといえます。
5107が今のような評価となったのは2015年前後といった時代だといえますが、それから大きく価格帯が変わるということはなく、すでに5000とは異なる価格帯に位置するという印象が定着したといえます。
さて、そんな5107ですが、最近の様子はどういったところかというと、下落傾向。
5107Jは2019年2月に約232万円という水準だったのですが、現在では198万円となっており、1年2ヶ月で34万円ほどの下落となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年2月 の安値(楽天) |
2020年4月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
カラトラバ 5107J-001 |
中古 | 1年 2ヶ月 |
¥2,325,000 | ¥1,980,000 | -345,000 | 85.16% |
ただ、下落とはいえこの5107Jの相対的立ち位置に変化はないといえます。なぜなら、値下がりしてもその水準は依然として200万円前後といえる水準に違いはなく、5000など同世代モデルと比べて目立って高いといえるからです。
ちなみに、5000Jは現在約145万円という水準。2016年と比べて5000Jは上昇傾向であるのに対し、5107Jは下落傾向であるのです。
その結果、2016年に100万円近かった価格差が、現在では50万円程度。価格序列に変化はないものの、その価格差はかなり縮まったといえる状況です。
なお、この5107Jはこれまでどのような相場変遷だったかというと、
となっています。
2020年4月現在の198万円という水準は、2016年11月に近いといえ、どちらの時期も値下がり傾向となっています。
2016年といえば“夏頃から多くのモデルが目立って値下がりした年”ですが、それは2019年夏も同様です。
ただ2016年の下落トレンドは12月頃に収束し、2017年からその値下がりを覆すような目立った上昇となった反面、2020年現在は、未だ2019年の下落影響を脱していません。
2020年になってから、回復傾向の兆しが見られ、そのままいけば再度2017年のような状況となっても不思議ではなかったのですが、ここにきて新型コロナウィルスの影響が出たことから、再度2019年の下落傾向を継続するような動きとなっています。
この5107Jの相場を見るとそういったことを感じるため、2016年11月に近いような状況だと思うわけです。