「GMTマスター」といえば、今や「II」という印象が強いですが、本来「GMTマスター」と「GMTマスターII」があるわけです。なぜ「II」の印象が強いのかというと、「GMTマスター」が1999年の段階でモデル自体が終了となったからでしょう。
その最終リファレンスこそ16700であるのですが、最後のGMTマスターという点や、「GMTマスターII」と異なり、文字盤に「II」表記が無いといった点が魅力的だといえます。
そのようなことから、16700は評価されても不思議でないと思っていたのですが、意外と評価されることはなく、2016年の段階では、その最終年式であるA番ですら、他の年式と変わらない水準に位置していたのです。
ただ、そういった様子は2017年頃から変化。A番は2017年12月の段階で100万円以上という水準になり、以前とは明らかに違う価格帯となったのです。
そして、その影響からか、A番以外の16700も評価されるように変化。2019年9月には100万円以上となり、ついに16710(GMTマスターII)よりも高い水準となったのです。
さて、そのように評価されていた16700ですが、2020年4月の今、値下がりしたことによって再度100万円以下という水準になってしまっています。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年9月 の安値 |
2020年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
GMTマスター 青赤ベゼル 16700 |
中古 | 0年 7ヶ月 |
¥1,080,000 | ¥958,100 | -121,900 | 88.71% |
16700は、2016年の段階で60万円前後という水準だったのが、2019年9月には100万円以上となっているため、目立った上昇をしていたと感じます。
しかしながら、2019年9月以前はあまり活発に動く様子がなく、2019年9月時点での値動きも15万円程度だったのです。
なお、それはいつとの比較かというと、なんと2018年8月。つまり、16700は2018年8月⇒2019年9月で15万円程度の値動きにとどまっていたわけです。
「GMTマスターシリーズ」といえば、現代の大人気モデルですが、そのレア最終モデルという側面をもつ16700は、意外とあまり目立った値動きをしてこなかったのです。
そして100万円以上という水準になったのも2019年9月という時期。その頃といえば、値下がりトレンドがあったのに、なぜか16700は100万円以上という大台に乗るといった様子となっていたわけです。
そして、評価される動きになったのかと思いきや、今回の値動きで下落となったため、再度2018年8月水準に近い状態まで戻ってしまいました。
2016年⇒2017年といった時期は目立った動きを見せていた16700ですが、2018年以降の値動きはその派手さが失われたように感じます。
ただ、筆者としては「様々な濃い要素」を持っているのにこのような評価となるのが不思議でならず、長らく注目している存在でもあります。