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現在相場考察

170万円台に下落、カラトラバ5107G-001

2020年4月30日更新
パテックフィリップのカラトラバについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年1月の安値と2020年4月の安値を比較し現在相場を考察。この2年3ヶ月での変動は¥-320,000だった。

カラトラバ 5107G-001についての考察(2020年4月)

2000年代前半といった時代に現行モデルだったカラトラバ5107は、当時特別「高い」といったこともなく、特に「人気」という印象もありませんでした。

しかし、2010年代になると5107Gの中古相場は200万円程度といった状態になり、他の同世代モデルと比較して目立って評価されている状態となっていたのです。

5107Gには、特に際立った「レア」な要素がありません。むしろ、現行当時の印象としては、最もオーソドックスなモデルといったイメージがあるぐらいでしたから、2010年代の評価は意外だったといえます。

さて、この5107Jを改めてみてみると、かなりオーソドックスな腕時計にみえます。

時刻表示形式は、3針センターセコンドですし、カレンダーも3時位置のタイプ。また、ムーブメントは自動巻となっており、オメガロレックス等でもよく見かける超オーソドックスな内容のモデルといえます。

しかし、実はこういった「他の腕時計でのオーソドックス」といった内容は、実はカラトラバではレアという側面もあります。

3針センターセコンド+カレンダーでも、文字盤デザインが1930年代の復刻となっているなど、デザインの雰囲気が“いかにも雲上”といった個性を放っているモデルが多いわけです。

それに対して、この5107はかなりオーソドックス。それでいて、ドルフィン針と96のようなバーインデックスが際立っており、ザ・オーソドックスという意外性と、カラトラバの伝統的な部分が程よくブレンドされているのが魅力的といえます。

おそらくそのようなことが評価され、この5107Gは2010年代中盤頃から200万円程度といった水準にいたと思われます。

ただ、その200万円程度といった評価が長らく続いていたわけで、ここ数年はあまり値動きしないという側面もありました。

2000年代前半⇒2010年代後半ではかなりな動きとなったのが、それ以降動かなかったというわけです。

しかし、そんな5107Jは今久々に動いている様子があるのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年1月
の安値
2020年4月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
カラトラバ
5107G-001
中古 2年
3ヶ月
¥2,080,000 ¥1,760,000 -320,000 84.62%

現在、この5107Jの水準は176万円であるのですが、これは久々に安くなったと感じます。

実際、2018年1月との比較で32万円の下落となっているのですが、これは新型コロナによる下落トレンドの影響でしょう。

5107Jを長らくチェックしていた筆者としては、170万円台という水準に驚いたのですが、そう思った方は他にもいたようで、170万円台に位置した他の個体は売り切れとなっている様子があります。

そういった意味では、5107G170万円台という水準はインパクトがあるといえ、通には分かるのだと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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