2004年にデイトナ初のWGブレスレットモデルとしてデビューした116509。
WGデイトナのデビュー自体は97年頃ですが、その時から長らく革ベルトのみの展開となっていました。
今ではデイトナの貴金属モデルといえば、WG、RG、Ptなどがあるため、いろいろなバリエーションがあるイメージですが、この116509登場まで、基本YGといった感じだったのです。
そのため、WGブレスレットという要素は当時とても新鮮で、また、当時はYGよりもWGのほうが人気が高かったため、今の116506のようなポジションとなっていたように感じます。
当時のデイトナといえば、黒文字盤が圧倒的な人気でしたが、実際116520の新品実勢価格は白よりも黒のほうが20万円程度高い傾向がありました。
そういった状況下において、116509には専用デザインの黒文字盤が与えられており、それもまた、特別感の1つとなっていたといえます。
けれども、その後116509には新しい文字盤色がいくつか追加。現在、通常文字盤の中で最も高い水準にいるのは青文字盤で、黒文字盤は116509の中で最も安い序列に位置します。
そして、近年、その水準はYGを下回るといった様子も珍しくありません。
2010年前後の時代では、116528が130万円台だった一方、この116509黒文字盤は200万円以上という水準。その頃、116509は116528よりも約88万円高い価格帯でした。
それが2017年になると両者の差は6万円程度にまで縮まります。そして、2018年3月にはついに116528よりも安くなってしまったのです。
そのような経緯がある116509は、ここ数年において、なにかとお得感の強い印象があったといえます。
実際、116509の値動きは、2010年から2017年までの7年で約20万円にとどまっていたわけで、他の人気モデル、なおかつK18モデルと比べると驚くほど値動きしていなかったわけなのです。
そんな116509は2019年になると、それまでとは異なる動きへと変化しています。
2019年6月に280万円という水準になったのですが、これは2018年9月に対して約19万円ほどの上昇。2010年⇒2017年の7年分とほぼ同じ上昇幅を9ヶ月で達成したのです。
そして、その後も116509の値動きは止まらず、7月には約296万円にまで到達。300万円超えしても不思議でないといった様子となっていました。
しかし、116509は2019年7月水準をピークとして、その後は値下がり傾向となってしまいます。
12月には約288万円となっていたのですが、これは7月と比べて約8万円の下落。2019年夏の値下がりトレンドに伴う下落としては、あまり大きくないといえたのです。
また、その際、116509は116528よりも高い水準となっていたため、値下がり幅の小ささに加えてなにかと凄いと感じるものがあったといえます。
さて、そんな116509ですが、新型コロナによる下落トレンドな今の時期、相場はなかなかな影響を受けている様子があります。
なんと116509は現在、260万円という様子なのですが、これは2019年12月と比べて28万円ほどの値下がり状態であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年12月 の安値 |
2020年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
デイトナ 黒文字盤 116509 |
中古 | 0年 5ヶ月 |
¥2,882,920 | ¥2,600,000 | -282,920 | 90.19% |
2019年夏の下落トレンドではあまり大きな影響を受けなかった116509黒文字盤ですが、新型コロナによる現在の下落トレンドではより大きな影響となっている事がわかります。
実際、2019年7月⇒12月の下落が約8万円にとどまっていたのに対し、今回は約28万円の下落となっているのです。
なお、116509の260万円という現在水準はどの時期に近いのかというと、2018年9月となります。
また、現在の116528のボトム価格が約277万円(2020年4月30日現在)であるため、116509は再びYGよりも安い水準となっています。