「限定モデル」という要素は、なんだか将来高くなりそうな印象がありますが、中古相場では意外と評価されない傾向があります。
限定モデルが評価されない要因はいくつかあるかと思うのですが、最も大きな点は「認識されづらい」ということでしょう。
しかし、オメガの場合は違うのです。
近頃、中古市場で評価されるオメガの多くは限定モデル。この場合の評価とは、「高い本体価格」だけでなく、「よく変動する」といったことも含みます。
実際、スピードマスターのアラスカプロジェクト、マルイ限定、シーマスターの007モデルなどが高い評価となっています。また、あまり知名度が高くないダイナミックの限定モデルも通常モデルに対して目立って高い傾向があります。
そのような傾向が顕著になったといえるのは、2016年以降だと思いますが、特にアラスカプロジェクトなどは2016年頃から目立って変動した経緯があります。
アラスカプロジェクトは100万円以上という中古相場となっているのですが、同じ2000年代前半頃のモデルとして100万円超えとなっているのがこのスヌーピー3578.51です。
スヌーピーは、2012年2月の段階で約34万円という水準だったのですが、2019年1月には108万円にまで上昇していました。
この値動きは、ロレックスの人気モデル「青サブ(16613)」よりも凄いといえますが、「ロレックスよりも凄い変動」となったオメガはあまり多くありません。
ただ、2019年といえば、上半期はかなりな上昇トレンドだった一方で、夏頃からは値下がりとなった傾向があります。まして、2020年4月頃からは新型コロナによって再度下落トレンドとなっているため、全体的に腕時計は値下がり傾向となっているわけです。
では、このスヌーピー3578.51の水準はどうなっているかというと、現在約106万円というボトム価格となっています。
これは、2019年1月と1万5000円ほどの変動しかないため、あまり大きく変わっていない状況だといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年1月 の安値 |
2020年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オメガ
スピードマスター 3578.51 |
中古 | 1年 4ヶ月 |
¥1,080,000 | ¥1,064,800 | -15,200 | 98.59% |
近頃、多くのモデルが目立って下落し、2018年上半期並の水準となっているなか3578.51はほぼ変わっていないというのは凄いといえます。
ちなみに、記事準備中には104万円という個体がありましたが、そちらはすでに売れてしまいました。
こういったことや、大きな下落となっていないことを考慮すると、スヌーピー限定のスピードマスターは、現在新型コロナによる下落影響を受けていない稀有な存在だと感じます。