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現在相場考察

2020年の様子、タンクフランセーズW51002Q3

2020年5月15日更新
カルティエのタンクフランセーズW51002Q3について斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年5月の安値と2020年5月の安値を比較し現在相場を考察。この3年0ヶ月での変動は3万3300円の値下がりだった。

タンクフランセーズ W51002Q3についての考察(2020年5月)

タンクパシャといえば、もともと重厚な印象があったといえますが、90年代後半に、そういったイメージを払拭するかのようなカジュアルなモデルが登場しています。

その1つが、まさにこのタンクフランセーズなのですが、若々しいモデルといった印象があり、2000年前後といった時代には、パシャCと同じようなキャラクターで多くの時計ファンに受け入れられていたように感じます。

ただ、パシャCと比べると、タンクフランセーズの男性用サイズはややマニアックだったといえ、2000年当時でも、パシャCほど売られている姿を目にすることはあまりありませんでした。

また、その実勢価格もパシャCよりも高く、少し上級なカルティエといった印象があったようにも思います。

そういったことは、文字盤からも感じるのですが、タンクフランセーズのLMサイズはギョーシェ仕様。これは、パシャだと「パシャC」には採用されておらず、上級モデルの「パシャ38mm」への採用となるわけです。

そういったことからか、中古相場もパシャCよりも高い傾向があります。

では現在タンクフランセーズのLMサイズはどういった水準なのかというと、約19万円。これは、2017年水準よりも3万円ほど安いのですが、それでも現在におけるパシャCの水準よりも高い印象です。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年5月
の安値
2020年5月
の安値
変動額 残価率
カルティエ
タンクフランセーズ
W51002Q3
中古 3年
0ヶ月
¥228,000 ¥194,700 -33,300 85.39%

タンクフランセーズには、SM、MM、LMなど多くのサイズがありますが、今でもSMとMMは現行モデルとしてラインナップされています。

しかし、男性用LMサイズに関しては、すでに生産終了。そういったこともあってか、タンクフランセーズといえば女性用」といった印象が強くなっているかもしれません。

カルティエの腕時計の特徴として、男性用として出されたモデルでも徐々に女性用といったイメージが強くなってしまうという傾向がありますが、このタンクフランセーズについても「レディース」といったイメージに飲み込まれているような気がします。

ただ、パシャCとは異なり、タンクフランセーズには「LM」というようにはっきりメンズだと分かる軌跡がありますから、女性用という印象は強くないともいえます。

とはいえ、タンクフランセーズ自体の印象が「女性用」という認知が強く、男性用モデルがあるということが認知されていない可能性もありますが、「実は男性用」という意外性こそ、このタンクフランセーズLMサイズの魅力といえるかもしれません。

それは、LMだけ自動巻ムーブメントを搭載しているという点からも感じます。

また、高級腕時計の場合、意外と「同じデザインで男性用と女性用をラインナップ」というモデルが少ないため、このタンクフランセーズペアウォッチとして数少ない選択肢の1つだといえるでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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