ノーチラスといえば青文字盤の印象が強いですが、近頃はノーチラスに限らず青文字盤が人気なモデルが多い印象です。
スカイドゥエラーの326934はまさにその例ですが、青文字盤が黒文字盤等よりも数十万円高いという価格帯に存在。これまでの常識では、ロレックスで「黒、白等のラインナップにおいて青文字盤が飛び抜けて高い」という現象は想像もつきませんでしたが、最近ではそういった現象がごく普通となっているわけです。
さて、ノーチラスの青文字盤といえば、近頃では多くのモデルがラインナップされていますが、そのような多種多様なラインナップとなったのは2005年以降のこと。
それまでノーチラスの青文字盤は、1世代に1つといった感じだったわけで、具体的には3700と3800/1Aの2つしか存在しないわけです。
そして、それら2つといっても、長期に渡ってラインナップされていたのは3800/1Aのほう。具体的には1982年から2005年頃までの約23年間に渡ってラインナップされていたわけです。
ですから、この3800/1Aこそ、ノーチラスのなかでもっとも長寿命であるわけで、それと同様、青文字盤のノーチラスとして最も長きに渡ってラインナップされたのも3800/1Aであるのです。
そんな3800/1Aの青文字盤という存在は、デビュー以来、ラインナップの中心的存在だったわけですが、90年代後半にはその座を黒文字盤に譲ります。
ちなみに3800/1A-001は黒文字盤を指しますが、そういったことからも当時黒文字盤がメインとなっていた印象を窺えます。
黒文字盤は90年代後半の登場ですが、なぜ、それ以前からある青文字盤が「-001」でなかったかというと、「-001」といった文字盤色を示す枝番が90年代後半頃登場したからでしょう。
なお、長期に渡って生産された3800/1Aには、前期・中期・後期があるといえるのですが、黒文字盤の登場と同時に後期となったといえます。(厳密には、初期黒文字盤のデイトフォントは明朝体。ゴシック体からが後期ともいえる)
そのため、青文字盤の個体は前期と中期が多い傾向があり、特に中期が多いと感じます。
ただ、中古相場としては前期や後期といった年式による価格差はあまりなく、「青文字盤」として評価されているように思います。
従来の印象では、前期よりも後期のほうが高かったのですが、最近では後期の他文字盤色よりも、中期の青文字盤のほうが高いといった傾向があります。
それは現在も同様で、3800/1Aの中で青文字盤が最も高い様子。
3800/1A青文字盤は、2018年9月の段階では318万円だったのに、現在では385万円となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年9月 の安値 |
2020年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 3800/1A-010 |
中古 | 1年 8ヶ月 |
¥3,180,000 | ¥3,850,000 | 670,000 | 121.07% |
近頃といえば、新型コロナによる値下がりトレンドが目立っていますが、ノーチラスでも5711/1Aなどに値下がりが見られる状況です。
しかしながら、3800/1Aについてはそういった印象がなく、例えば黒文字盤の3800/1A-001については、値下がりとなっていないのです。
黒文字盤は2020年2月に約370万円でしたが、現在のボトム価格は約373万円。
不思議と3800/1Aは今の時期において強い印象があります。