腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

2016年並に下落、シャネル J12 H0684

2020年5月26日更新
シャネルのJ12H0684について斉藤由貴生が執筆。本記事では2019年5月の安値と2020年5月の安値を比較し現在相場を考察。この1年0ヶ月での変動は¥-64,200だった。

J12 H0684についての考察(2020年5月)

シャネルの腕時計は、古くから存在していましたが、2000年に登場したJ12からその印象がガラッと変わったといえます。

J12より前の腕時計は、女性用のファッションアイテムといった感じが強かったのに対し、J12はまさに本格的な腕時計といった感じ。また、シャネル初の男性用商品といった側面もあります。

ですから、本気で作ったという気合感と、シャネルが男性用を出したという意外性から、デビュー時にはかなりな話題となったわけです。

ただ、そういった話題は、デビュー時には強くとも、その後続くとは限りません。

しかし、J12は「これまでなかった」という価値観を打ち出したため、ファッション寄りブランドとしては、初めて「高級腕時計」として認められたたといえるでしょう。

特に2003年に登場したホワイトセラミックは、それまでなかった「白い高級腕時計」といった価値を提案したため、多くの時計ファンにとってコレクションに加えたいモデルというイメージとなったこといえます。

そのような経緯がJ12にはあるため、中古相場でも値動きが比較的目立つ印象で、相場全体が高いときには高く、安いときには安いとった印象があったわけです。

しかし、そんなJ12の相場の傾向は、以前とは変わったと思います。

それはどういったことなのかというと、相場全体の動きと連動しないような値動きになったと感じるのです。

具体的にはどういうことかというと、時期によって安くなったり高くなったりするのですが、その動きが他の人気モデルの傾向と異なるのです。

例えば、ロレックスの人気モデルが目立った上昇をしている時期に値下がりしたり、その逆だったりといった具合なのですが、このような動きは2017年頃から顕著になっているといえます。

ただ、今回お伝えするブラックセラミックラバーのH0684はそういった印象が弱く、他の腕時計の値動きトレンドに近い傾向があるともいえます。

実際、2016年夏から2017年年頭までは15万円前後だったのに対し、2019年5月には20万円以上という水準。

2016年夏頃といえば、値下がりトレンドだった時代。そして、2019年上半期といえば、目立って値上がりしている時期だったわけですから、ほぼ一致している傾向があるといえます。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります
CHANEL シャネル H0684 J12 33? ブラックセラミック×ラバー QZ 【大阪心斎橋店】【中古】

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2019年5月
の安値
2020年5月
の安値
変動額 残価率
シャネル
J12
H0684
中古 1年
0ヶ月
¥216,000 ¥151,800 -64,200 70.28%

さて、そんなH0684ですが、現在水準はどうなっているかというと約15万円という水準。

これは1年前と比べてなかなかな値下がり比率となっているだけでなく、2017年2月とほぼ同水準という様子であるのです。

2017年といえば、多くの腕時計が値上がりした年という印象がありますが、2月時点では目立った上昇となっていたのは16520など一部モデルに限られており、このJ12のように2016年夏頃からの下落水準から大きく回復していないといったモデルが多々ありました。

そういった意味では、現在のH0684の水準は2016年夏の下落トレンド時代と同水準といえるわけです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。