2000年代前半は、それまで聞き慣れなかった腕時計ブランドが流行するなど、腕時計の選択肢が増えた時代だったといえます。
「ロレックスの次に買う」といった感覚で、パネライとフランクミュラーが流行ったのもその時代ですし、シャネルやルイヴィトンが高級腕時計市場に本格参入したのもこの時代です。
シャネルがJ12を発表したのは2000年ですが、2003年にはホワイトセラミックが登場し、かなりな話題となりました。
そして、ルイヴィトンがタンブールを発表したのが2002年。まさに、新しい腕時計の選択肢が増えた時代だったわけです。
ヴィトンの腕時計ラインナップにはいくつかの種類がありましたが、当時最も注目度が高かったといえるのが、このQ1141。これは、エルプリメロベースのムーブメントが搭載されており、当時の新品実勢価格は100万円程度といった感じでした。
シャネルのJ12の場合、メンズサイズの機械式でもその実勢価格は30万円台といったところ。ですから、価格帯としては、シャネルはパネライに近く、ルイヴィトンのQ1141はフランクミュラーに近かったといえます。
それは、当時の街の様子からも感じたのですが、その時代、ドンキホーテが高級腕時計を積極的に展示販売している傾向がありました。
パネライやJ12は地方の店舗でも販売されていた一方、フランクミュラーやタンブールクロノは都会の旗艦店でないと見かけないといった様子。筆者も六本木店でこのQ1141を見かけた際、フランクミュラーとともに展示されている姿を見て「多くの人から憧れているモデル」と感じた記憶があります。
さて、そんなタンブールのQ1141ですが、現在の評価はどうなっているのかというと、約40万円といったところ。
これは、2017年11月に対して約17万円の下落といった状況ですが、2009年と比べると更に安いといえる様子です。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年11月 の安値 |
2020年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ルイヴィトン
タンブールクロノ Q1141 |
中古 | 2年 6ヶ月 |
¥579,960 | ¥404,800 | -175,160 | 69.80% |
先のように、このQ1141というモデルは、2000年代の印象だと「高い」といった印象の価格帯に位置していた存在。
ですから、2009年11月の中古水準は約67万円だったわけで、当時の16520白文字盤に対して10万円程度安いといった価格帯だったのです。
そして、2010年代になるとQ1141は2009年水準よりも安くなり、反対に値上がり傾向となった16520とは差が大きく広がったわけです。
現在、16520白文字盤は約240万円という水準ですが、Q1141は約40万円。2009年時点で10万円程度だった両者の差は、今では200万円程度となっています。
ただ、Q1141は一度も値上がりしたことがないわけではなく、2016年⇒2017年では上昇傾向となっていました。
とはいえ、2017年以降の状況はかなり難しいといった様子で、その相場をお伝えするのは困難だった傾向があります。
そして、今Q1141は久々に分かりやすい状況となっているのですが、その水準は2016年よりも安いといった様子。筆者が確認した限りですが、現在の水準は過去最安値といって差し支えないかと思います。