2020年といえば、新型コロナウィルスにより、様々なものの相場が値下がりしたというイメージがあります。
しかし、金相場に関してはむしろ値上がり傾向。4月には「40年ぶりに過去最高値を更新」というニュースが配信されていました。
金相場が上昇するということで、K18素材を用いた腕時計の値上がりも十分考えられます。
そういった影響は、特にブレスレットタイプなど、金の含有量が多いモデルに起こりうるでしょう。
これまで、金無垢ブレスレットを採用するモデルとして、相対的に安価だといえたのは、ブルガリスポーツクロノや、ロレックスのオイスタークォーツデイデイトなどですが、それらはいずれも100万円以下という水準でした。
では、現在どのような相場となっているかというと、スポーツクロノは売出しがない状況でしたが、オイスタークォーツについては100万円以上という水準に上昇していました。
オイスタークォーツの上昇傾向は、2019年の段階から肌感覚として感じることができたため、今回の上昇は「やはり」という印象になります。
では次に、機械式のデイデイトはどのような様子となっているのでしょう。
その答えは、なんと5桁世代の18238が下落している様子。
金相場が上昇しているというご時世であるにもかかわらず、K18ブレスレットの機械式ロレックスは、値上がりどころか値下がりとなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年5月 の安値 |
2020年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
デイデイト シャンパン文字盤 18238 |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥1,250,640 | ¥1,100,000 | -150,640 | 87.95% |
18238は、デイトジャストの16233と同世代のモデルですが、16233が「ザ・ロレックス」という印象だったとするならば、それの更に凄いバージョンといった存在感だったといえます。
ただ、デイデイトは2000年に新世代にバトンタッチされてしまったため、18238は他の5桁世代と比べて多少古いというイメージになるわけですが、デイデイトの場合“ヴィンテージさ”が評価されづらい傾向があるため、機械式デイデイトとしてはこれまで安価な価格帯に位置した経緯があります。
とはいっても、その相場はオイスタークォーツと比べると明らかに高く、19018が80万円台だったならば、この18238は120万円台だったといえます。
しかしながら、現在の状況では、19018のABランク以上のボトム価格が約106万円である一方、18238は110万円。両者の差は4万円程度しかありません。
また、この18238は2016年頃からいつの時代も120万円台といった印象で、それほど大きく動く様子がありませんでした。
なお、現在ボトム価格は110万円ですが、その次の個体は約124万円となります。ですから、ボトム価格と2番目に安い個体との価格差はそれなりにあるわけですが、先日まで他にも110万円前後の個体が複数あったため、110万円という額は参考になる値だといえるかと思います。
仮に18238の水準を124万円としても、2016年と大きく変わっていないわけで、いずれにしても「金相場上昇の影響を受けていない」ということなるでしょう。