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現在相場考察

凄いモデルだが、GMTマスター6542

2020年6月9日更新
ロレックスのGMTマスター6542について斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年8月の安値と2020年6月の安値を比較し現在相場を考察。この3年10ヶ月での変動は¥789,600だった。

GMTマスター 6542についての考察(2020年6月)

近年、GMTマスターシリーズはかなりな人気度となっており、特に「青赤」という要素がこれまで以上に評価されていると感じます。

GMTマスターシリーズの人気上昇は、パテックフィリップノーチラスと同じような加速度だと感じ、これまで特に人気があると感じなかったリファレンスも、いつのまにか人気となっている様子があります。

さて、そのような状況となると、評価されるのは「初代モデル」となるわけですが、GMTマスターの初代は長らく相場を掴むのが難しい状況だといえます。

1950年代に登場した初代GMTマスター6542は、「凄いモデル」であることは確かなのですが、その相場が「いくらなのか」がかなり掴みづらいわけです。

これは、まさにミルガウス1019と同じだといえます、1019よりもさらに玄人向けな印象が強いといえます。

6542の難しさとして大きいのは、修理明細書ありといった個体が少なく、メンテナンスも極めて難しいといったところがあるでしょう。

特に、その最大の特徴であるプラスティック製ベゼルは割れやすく、新品交換もできないため、扱いにはかなり注意を要します。

同じ1950年代製造の腕時計でも、カラトラバ等の場合、普段遣いしようと思えばできるのに対し、この6542グランドコンプリケーション以上に気を使う存在だといえるでしょう。

実は筆者、2001年頃に6542をつけている方を電車の中で見かけ、「赤いデイト表示」という意外性に惚れ、ずっと欲しいと思い続けているのですが、なかなか手を出せていません。

6542は、時期によって相場にばらつきがあり、相場観を掴みづらい傾向があるのですが、現在はまだ分かりやすい様子となっているといえます。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年8月
の安値
2020年6月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
GMTマスター
6542
中古 3年
10ヶ月
¥3,780,000 ¥4,569,600 789,600 120.89%

現在、この6542約456万円という水準なのですが、これは2016年8月と比べて約78万円の上昇といったところです。

6542の場合、相場を掴みづらい傾向があるため、この78万円という変動すべてを値動きとして捉えることは難しい側面もありますが、現在の価格ばらつきの少なさからして、それなりに参考になる値動きだと思います。

また、2016年から現在にかけてのGMTマスターシリーズの評価からすると、このような変動は自然だといえます。

例えば、GMTマスター最後のモデルである16700は2016年時点では60万円前後といった様子でしたが、今では100万円以上といった様子。

そのようなことを考慮すると、6542の現在の変動額はそれなりに参考になると思うのです。

筆者としてもこの6542というモデルをもっと取り上げたいのですが、なかなか相場をお伝えしづらいため、2016年から約4年ぶりの登場となってしまいました。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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