先日の記事でお伝えしたように、116710BLNRなど一部人気モデルが早くも回復傾向となっている様子があります。
それに対して、ノーチラスは未だ下落という印象があるのですが、なぜかというと5711/1A青文字盤が値下がりとなっているからです。
しかし、実は白文字盤に関してはその限りではありません。
それどころか、なんと白文字盤はすでに回復傾向。現在水準は673万円というボトム価格であるのですが、これは4月と比べて約73万円の上昇であるのです。
そして、実はこの値動きにより、ノーチラスには歴史的な出来事が発生。
それこそが、白文字盤と青文字盤の価格序列が逆転するということです。
現在、青文字盤のボトム価格は5711/1A-010の約665万円。それに対して、5711/A-011は673万円というボトム価格。
ですから今、5711/1Aは白文字盤のほうが青文字盤よりも高い状況なのです。
2019年2月といった時期にも、白文字盤が急上昇する様子がありましたが、その時でも白文字盤は青文字盤よりも高いという様子ではありませんでした。
その際、両者の価格差は18万円にまで迫っていたものの、青文字盤のほうが高かったわけです。
けれども今の様子では、白文字盤のほうが青文字盤よりも18万円高い様子。かつて、100万円以上の価格差があったこともある白文字盤と青文字盤ですが、白文字盤が青文字盤の水準よりも上となったのはおそらく初だといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年4月 の安値 |
2020年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 5711/1A-011 |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥5,999,800 | ¥6,730,000 | 730,200 | 112.17% |
近頃、ロレックスやパネライ、ヴァシュロンコンスタンタンなどで「青文字盤」の人気が高い様子が見受けられますが、そのトレンドの発生源こそノーチラス5711/1Aだといえるでしょう。
これまで、腕時計の人気文字盤色は黒文字盤が圧倒的だったわけで、それ以外のオーソドックスな選択肢として白文字盤があるといった感覚でした。
例えばロレックスの場合、2000年代の新品実勢価格は黒文字盤が高いという様子で、特にデイトナなどはそういった傾向が顕著でした。ただ、2016年に116500LN登場した時からは、白文字盤のほうが人気という様子になり、十数年ぶりのトレンド変化が起きたといえます。
それに対して青文字盤は、以前から「よく存在する文字盤色」ではありましたが、黒や白ほどの人気キャラクターではありませんでした。
それが今、ロレックスでは「白、黒、青」といったバリエーションで「青」が最も人気ということがスカイドゥエラーなどで見られるわけですから、かつての常識からすると驚くことが起きているわけです。
そして、そのようなトレンドこそ、2017年から目立って上昇かつ人気となった5711/1A青文字盤が作ったともいえるわけで、最も強い青文字盤こそノーチラスであるといえます。
そうなると、同じ5711/1Aの白文字盤が青文字盤よりも高くなるというのは並大抵のことでないわけで、現在の価格序列は歴史的な出来事だといえると思うのです。