2000年頃、時計雑誌の「変わり種時計」を独占していたアランシルベスタインの位置に食い込む形で、「変わり種時計」の位置に登場したのがアイクポッドです。
ただ現在では、アイクポッドという存在を知っている人は少ないのではないでしょうか。
このアイクポッド、アランシルベスタインと異なるのは投資家オリバーアイク氏がマークニューソンと組んで誕生したという点。
つまり、ビジネス寄りなバックグラウンドから生まれた時計です。
ビジネス的なバックグラウンドで誕生したという背景は特にマイナスポイントになるわけではありません。むしろ時計のプロと資本家が組むことによりフランクミュラーや昔のパテックなど良いマリアージュとなることが期待できます。
しかし、このアイクポッドあまりうまく行かなかったようで現在の経営は違う資本が行っているようです。
この忘れかけのアイクポッド、今注目すべき理由があります。それはアップルウォッチの存在です。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年7月 の最安値(ヤフオク) |
2015年8月 の最安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
アイクポッド
ヘミポッド ウィークプランナー |
中古 | 3年 1ヶ月 |
¥121,011 | ¥194,400 | 73,389 | 160.65% |
アップルウォッチになんとなく形がにていると思った方、正解です。
アップルウォッチのデザイナーはマークニューソン。このアイクポッドと同じです。
1994年からアイクポッドを手がけるマークニューソンが、アイクポッドのノリでデジタル時計をデザインしたのが「Apple Watch」なのです。
アイクポッド、この未来感のあるデザインでトゥールビヨンなどのモデルを出したりしていました。
そのギャップが結構良いと思い、今でもトゥールビヨンがあれば欲しい(適正価格に限る)のですが、スマートウォッチとのほうがマークニューソンデザインとの親和性が高いと思います。
つまり、アイクポッド。
機械式+未来デザインという変化球で勝負せずに、スマートウォッチという直球勝負でいったら良いのではないかと考えたのがアップルでしょう。
というよりも高級腕時計のノリを維持してスマートウォッチという新機能と組み合わせようとした場合、マークニューソン意外の選択肢がなかった=消去法というのが正解だと思います。
アップルウォッチも現在、あまりパッとしないようですが、多くの人が「アップルウォッチ」という名前だけでも知っていると思います。
ということで、再度注目を集める可能性があるアイクポッド、アランシルベスタインよりかなり安値でも売れていない様子ですが、アップルウォッチの高いやつ(10万円クラス)を買うより良いのではないでしょうか。
ちなみに、アップルウォッチ、あまり評論している人がいませんが、サムスンなど他社のスマートウォッチと明らかに異なるのは高級腕時計の常識を取り入れているという点です。ケースのサイズや「クラウン」という名称、さらに金モデルの金に関する特許まで、アップルの細部まできちんと拘れるという点には関心します。