パテックフィリップの超基本形といえる5196には、YG、RG、WG、Ptがラインナップされていますが、近頃それらの価格帯がかつてよりも異なる印象があると感じます。
現在、5196で最も安いのは5196Jとなっており、次に5196Gが高い様子。プラチナが最も高いのは当然ですが、金素材の中ではRGが最も高いという傾向があります。
そして、それらの価格帯はどうなっているかというと、
となっており、YGが特に安いという印象があります。(いずれもABランク以上のボトム価格)
これらの価格を見て特に意外だと感じるのは、WGだといえます。
WGといえば、ここ2年3年において、YGよりも安いという傾向があり、パテックフィリップでもそういった傾向は例外ではありませんでした。また、YGよりも安いという様子ではないにしても“YGと同等”といった傾向があったといえます。
ちなみに、2000年代まではWGは1番人気といった印象があり、YGはもちろん、RGよりも高い様子でした。
ですから、現在の5196の様子を見ると、まるで2000年代のトレンドに戻ったのではというぐらい、WGとYGの価格差が目立っていると感じます。
さて、5196といえば、先日YGの5196Jをお伝えしましたが、現在水準は2018年とほぼ変わっていない様子です。
それに対して、この5196Gは2018年11月に対して約6万円の値上がりとなっている状況。また、2018年11月水準も、2017年12月水準に対して約7万円の上昇だったわけです。
ですからこの2年ほど、WGの5196Gは、YGの5196Jよりも値動きが活発だったわけで、その結果、両者の相場が10万円ほど離れてしまったといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年11月 の安値 |
2020年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
カラトラバ 5196G-001 |
中古 | 1年 7ヶ月 |
¥1,674,000 | ¥1,738,000 | 64,000 | 103.82% |
ではなぜ、5196においてWGが値上がりしたのでしょう。
その理由として考えられるのは、Ptと文字盤デザインが違うという点だと思います。
5196Pはプラチナ専用の文字盤となっているため、5196としては唯一異なる文字盤デザインとなっています。
それはそれで魅力的なのですが、「いかにも“96らしい”文字盤」とはいえないため、「銀色系のバーインデックスが欲しい」というニーズにはこの5196Gがマッチするということになります。
WGは、Ptとの差別化が難しいといった側面がありますが、5196の場合、プラチナが「別モデル」といったキャラクターであるため、WGのキャラクターがはっきりしやすいのでしょう。