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現在相場考察

約250万円という脅威の値上がり、ノーチラスクロノグラフ5980/1A黒文字盤

2016年7月10日更新
パテックフィリップのノーチラス5980/1A-014について斉藤由貴生が執筆。本記事では2012年8月の安値(ヤフオク)と2016年7月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この3年11ヶ月での変動は¥2,495,000だった。

ノーチラス クロノグラフ 5980/1A-014についての考察(2016年7月)

ノーチラスロイヤルオーク三雲ブランドによるロレックス的腕時計の解釈、と表現できるでしょう。ステンレスブレス、防水、3針という内容はスポーツウォッチに共通する内容であります。

(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2012年8月
の安値(ヤフオク)
2016年7月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
ノーチラス
クロノグラフ
5980/1A-014
中古 3年
11ヶ月
¥2,885,000 ¥5,380,000 2,495,000 186.48%

しかし、ノーチラスといえばシンプルな3針のみだったというのはもう過去の話。登場から長らくノーチラスにプチコン、なんてありえない話でしたがその掟を破ったのは2005年のこと。

5085とか5054とかに搭載されてるあの機構、パワリザ+ムーンフェイズ+針カレンダーというプチコンを搭載した3712/1Aの登場です。

そして、その後、続々とプチコン仕様がノーチラスに登場!

いちばんびっくりなのはなんといってもこのクロノグラフ5980/1Aでしょう。

それまでパテックフィリップクロノグラフといえば、グランドコンプリケーション扱い、しかも他社製ムーブメントという異色の存在でした。

それが自社製ムーブメント。しかも腕時計全体的にも珍しい1つ目のクロノグラフ

そんなびっくりな内容でデビューしたのがこの5980/1Aなのです。

しかし、「ノーチラスっぽくない」というのも事実。

だって、薄くないですし、シンプルでも無いです。

けれども、ノーチラス自体が非常に高価。

しかもそこに複雑機構を搭載し、その内容が独自機構のクロノグラフときたら、高くないわけがありません。

なお、この黒文字盤は2010年に新登場した色なのですが、当時の定価は434万7000円

ということは、当時新品で買ったとしても「高くなった!」ということですね。

でもって2012年8月には288万5000という値段で売買されています。

そして、それが脅威の値上がり額249万5000となるのです。

これは本体価格ではありません。値上がりした額ですよ!!!

いやー、腕時計を買って約250万円も高くなったなんて、競馬並に夢のある話。

競馬も腕時計もかなり紳士の粋な趣味であることには変わりありませんが、一発勝負で負けたら紙切れの競馬とは違って、ノーチラスは0円になりません。

どちらかというと、馬主のお方がこの5980/1Aのオーナーに多そうな気もしますが、勝負は馬だけではなく時計の中にもあるって面白いとおもいませんか?馬主さん!

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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