1999年に登場した40mmのルミノールマリーナ。
その時代の40mmといえばブレスレットの印象が強いですが、革ベルト版も同時にデビューしています。
パネライは、文字盤色はもちろん、ストラップの違いによってもリファレンスを分ける傾向があるため、相場を見やすいという恩恵があるといえますが、ここ最近の印象としては革ベルトとブレスレットでそれほど目立って価格が違うように感じません。
かつては革ベルトとブレスレットでは目立って差を感じる印象があったのですが、そういった時代において、40mm革ベルトの立ち位置は分かりづらかったといえます。
パネライが流行った2002年頃において、最も人気があるのは44mm手巻きでしたが、それこそがパネライの本流といった印象があります。
自動車で例えるならば、ベンツのゲレンデヴァーゲンといったところで、プレヴァンドームがW460、リシュモン以降の手巻き44mmがW463といえるでしょう。
それに対して、40mmブレスレットは違うアプローチのパネライといった印象があり、あえて例えるならば、ベンツGLSクラスに近い印象だといえます。
そして、40mm革ベルトは、上記2本に対してキャラクターが尖っているとはいえず、「ゲレンデヴァーゲンとGLSクラス」といったような分かりやすい比較はできないと感じます。
そのため、40mm革ベルトはあまり評価されないということになるかもしれませんが、中古相場の様子を見るとそういった可能性があるといえます。
PAM00049は2010年11月において、約38万円という中古水準だったのですが、それから10年近くが経過した今の様子はどうかというと、同じく約38万円という状況。
2010年と2020年でほぼ相場が変わっていないのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年11月 の安値 |
2020年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オフィチーネパネライ
ルミノールマリーナ PAM00049 |
中古 | 9年 7ヶ月 |
¥388,000 | ¥382,800 | -5,200 | 98.66% |
2010年と2020年では、大きく変動しているパネライが多々あり、特にそういったモデルはこの49番と同じ頃にデビューしたモデルという傾向があります。
また、2010年といえば、全体的に腕時計が安い時代という印象です。
ただし、パネライに関して注意しなければならないのは、2010年頃でもそこまで値下がりしていなかったモデルが存在するという点です。
当時特に目立って下落していたのは、手巻き44mmで、ルミノールベースなどは25万円前後という水準になっていました。
それに対して40mmは比較的高く、この49番の当時の水準も手巻き44mmより随分高かったのです。
しかし、今では手巻き44mmと49番は同水準となっています。
自動巻40mmの革ベルトは、実はブレスレットよりも長らく生産されたという経緯があるため、需要があるモデルなのでしょうが、中古相場の文脈では評価されづらいのかもしれません。