2007年のデビュー時はデイトナを凌ぐほどのプレミア価格となっていたミルガウス。けれども、2008年のリーマンショック後に値下がりして以降、リーマン前水準まで回復することはなく、現在の価格序列はスポーツ系において下から数えて3番目といった状況となっています。
また、近年の中古相場もあまり大きく動くことはなく、2017年から2019年にかけての116400の値動きは50万円台⇒70万円台といった変化にとどまっていました。
とはいえ「70万円台」という水準は、リーマン以降における116400相場としては、目立って高いといえ、この5年における相場変化からすると「感慨深い」といった表現をできる価格帯だったといえます。
しかしながら、そんな116400は2020年4月に新型コロナによる値下がり影響を受け、約65万円という水準に下落。その結果、70万円台となったのが「幻」のようになってしまったのです。
ちなみにその際70万円を割ったのは黒文字盤だけで、白文字盤については70万円台後半という様子。116400GV黒文字盤よりも高い水準となっていたのです。
さて、4月から2ヶ月経った今、多くのロレックスが回復傾向となっていますが、そのような動きをしているモデルは「現行人気」という印象があります。
つまり、116400黒文字盤のように、これまで大きな値動きをしてこなかったモデルについてはあまり目立った回復とはなっていない印象があるわけです。
けれども、116400黒文字盤はそうではありませんでした。
なぜなら、現在約72万円というボトム価格になっているからなのですが、これは2019年8月の水準程度にまで回復しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年4月 の安値 |
2020年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
ミルガウス 黒文字盤 116400 |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥657,800 | ¥726,000 | 68,200 | 110.37% |
116400黒文字盤は、2007年のデビュー時の新品実勢価格が110万円程度だったため、それと比べると2019年8月水準をもってしてもピーク水準とはいえません。
そのため、2019年8月水準は、“リーマン後としてはピーク”といった表現が適切といえるわけですが、現在水準がそれに近い状況となっているのは驚きです。
ちなみに、この回復によって、116400黒文字盤は、116400GV黒文字盤と価格差が2万円程度という状況になっています。
4月の記事でもお伝えしたように、この時計、筆者が自らの著書の印税で買ったモデルですが、仮に4月の値下がり時に売っていたならば今頃後悔したことでしょう。
なお、白文字盤については現在も約77万円という水準なのですが、これは3月とほぼ同様です。
黒文字盤が4月に下落⇒6月に回復となった反面、白文字盤は3月から6月にかけてほぼ変わりないというのは面白い現象だと思います。
現在、黒文字盤よりも白文字盤のほうが高いわけですが、こういった現象の際、値動きするのはより人気があるほう。すなわち高く評価されている白文字盤となる傾向があります。
けれども、ミルガウス116400では黒文字盤が値動き、白文字盤が値動きしないといったようになっているわけですが、こういったところが「ミルガウスらしいあまのじゃくさ」だといえるかもしれません。