1996年に登場した「カレラ」を皮切りに復刻ホイヤーがいくつか登場したのですが、当初「限定モデル」扱いだった復刻シリーズは、今ではタグホイヤーを代表する存在感となっています。
90年代当時のタグホイヤーは、防水モデルがラインナップの中心で、ムーブメントもクォーツが主流。そのようなラインナップにおいて、カレラやモナコには機械式ムーブメントが与えられ、ストラップも革ベルト。まさに「異色なタグホイヤー」という存在感だったわけです。
そして、ロゴも「タグホイヤー」ではなく「ホイヤー」。当時はキリウムなどがメインだったわけですが、キリウムと比較すると全くキャラクターが異なるモデルだといえます。
さて、当時「ホイヤー」ロゴの復刻モデルは、「Classics」というシリーズだったのですが、カレラとモナコしかありませんでした。
また、2000年頃までは、カレラが4種類、モナコが1種類とかなりラインナップ数が少なく、生産終了となったモナコ、及びカレラの旧黒文字盤(CS3111)を含めても、かなり少数。さらに、カレラの4種類といっても、それらは文字盤色のラインナップとケース素材の違いだったため、事実上、「カレラかモナコのどちらか」という2択だったわけです。
ただ、2001年頃には、カレラに3針モデルやGMTが用意されるなど、ややラインナップが拡大。
そして、その際クラシックシリーズには、「モンツァ」という第三のモデルが登場したのです。
モンツァは、Classicsとして登場した最後のモデルですが、この頃タグホイヤーはLVMH傘下となっており、LVMH主導で出されたClassicsという可能性があります。
実際、その後Classicsはタグホイヤーの中心的ラインナップとなるのですが、その際モンツァはClassics時代と近い内容でラインナップされ続けていました。
ただ、今となってはモンツァは通常シリーズとしてラインナップされておらず、カレラやモナコよりも知名度がないという側面もあるといえるでしょう。
さて、この世代のClassicsといえば、このモンツァ含め、ここ2年3年の間でいずれも評価が高くなっている傾向がありますが、これらは2017年頃まで10万円台という水準だったため、内容なキャラクターの割に評価されていなかったのです。
という相場変遷ですが、2018年10月の段階で「20万円台になった」わけなのです。
さて、そんなモンツァCR2110の現在水準ですが、どういった変化になっているかというと、2018年10月水準とほぼ変わりないという状況。
現在、CR2110は約21万円なのですが、これは2018年10月水準よりも9000円安いといったところです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年10月 の安値 |
2020年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
タグホイヤー
モンツァ CR2110 |
中古 | 1年 9ヶ月 |
¥228,960 | ¥219,890 | -9,070 | 96.04% |
このモンツァCR2110が20万円台となった2018年秋といった時期には、カレラのCS3140も30万円台⇒50万円台という変化となっており、この時代のClassicsモデルが評価されている様子がありました。
けれども、その後は目立って値動きするモデルが少なくなったり、値動きが分かりづらくなるなど、値動きの活発さが以前と比べて弱くなっているように感じます。
モンツァCR2110の現在水準ですが、他の同じようなキャラクターの腕時計と比較しても、相対的に安くお得感があると感じるため、渋い機械式クロノグラフが欲しいというニーズには、とても良い選択肢だと思います。