アクアノートの第一世代に存在したメンズサイズのクォーツモデル、5064A。
メンズのスポーツモデルにクォーツラインナップがあるいうのは、今では考えられないことですが、90年代ごろまでそういった傾向があったのです。
実際、ノーチラスにもクォーツの3900/1Aがありますし、ロイヤルオークでもクォーツモデルが多数用意されています。
また、アクアノートと同世代のオーバーシーズにはラージサイズのクォーツモデルがあったほど。とはいうものの、これら90年代後半にデビューしたモデルがクォーツをラインナップする最終世代だったといえます。
そんなアクアノートの5064Aは、新品で売られていた時代からかなり流通が少なく、中古で見かけるのも稀でした。
その水準は自動巻に比べて「だいぶ安かった」と記憶していますが、あまり見かけないため、当時から入手難易度が高かったのです。
そして、近年の中古登場頻度も1年に1度といったところなのですが、なぜだか夏頃に登場する傾向がある様子があるといえます。
特に2018年からは毎年6月頃に登場する傾向があり、なんだか毎年一定の時期に旬を迎える、松茸ような登場だと感じてしまいます。
さて、今年もこの時期に5064Aの中古が1年ぶりに売りに出されているのですが、その水準はどうなっているかというと、なんと値下がりしている様子です。
2019年⇒2020年といえば、2度の下落トレンドがありましたが、この5064Aのようなレアモデルはそういった影響を受けづらいといった傾向もあるため、値下がりは意外だと感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年6月 の安値 |
2020年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
アクアノート 5064A |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥2,030,400 | ¥1,782,000 | -248,400 | 87.77% |
約1年前の2019年6月、5064Aは約203万円という水準だったのですが、2020年7月現在では約178万円。この1年で24万円ほど安くなっているのです。
記事では2015年からこの5064Aを追っていますが、年々高くなっている様子を見せていたため、値下がりをお伝えするのは今回が初めてです。
なお、今回登場した個体は、デイト表示部分を見ると「明朝体」であることから、5064Aとしてはかなり初期のモデルだといえます。
昨年登場した個体は、デイトが「ゴシック体」だったため、年式違いによる価格差ということも考えられないわけではないですが、ノーチラス3800/1Aの事情等を見る限り、そういったことによる価格差は目立ちません。
また、デイトが明朝かゴシックかという差で24万円もの違いが生じるということも考えづらいため、今回の値動きは値下がりだと判断できるいえるわけです。
ちなみに、この5064Aのデイト「明朝体」個体は、あまり見かけないため、ゴシック体よりもレアという側面もあります。
筆者としても、明朝体の5064Aは見かけた記憶がなく、もしかしたらこれが初見かもしれません。