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現在相場考察

文字盤に描かれたジョーカーの顔が印象的、コルムバブル

2020年7月14日更新
コルムのについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年2月の安値と2020年7月の安値を比較し現在相場を考察。この3年5ヶ月での変動は¥-28,641だった。

バブル ジョーカーについての考察(2020年7月)

2000年前後といった時代、世の中ではロレックスブームなる現象が起き、それを象徴するかのように多くの雑誌で高級腕時計特集が組まれていました。また、その時期にはいくつかの腕時計専門誌が登場しています。

それらメディアの登場によって、ポストロレックスとなる存在が紹介され、2002年からはパネライとフランクミュラーがブームとなっていた様子がありました。

そして、そういった時期において、「第三の選択肢」といった感覚で、時計ファンから興味を持たれていたのが、このコルムのバブルやアイクポッドだといといえるでしょう。

コルムといえば、このバブル登場まで、“海洋信号旗が文字盤インデックスとして採用されているモデル”の印象がありましたが、2000年代前半といった時代にはそれを凌ぐほどバブルの存在感が強かったといえます。

当時のバブルの新品実勢価格は約25万円といったところだったのですが、これはオメガより高く、ロレックス人気モデルよりも安いという価格帯でした。

興味深いのは、アイクポッドのヘミポッドも同じ水準だったという点。これら腕時計のキャラクターは、個性的だから「ポーン」と買いたいところだけど、「ポーン」と買うには高いといった印象だったと思います。

そういったことから、25万円という価格以上に「高級」という印象もあり、クルマで例えるならばシトロエンC2プルリエルといったところだと感じます。

さて、そんなバブルにはいくつもの種類が登場したのですが、バリエーションがそれなりにあるため、その全体像を把握するのはなかなか難しいでしょう。

ただ、バブルには、不思議と中古市場で見かけやすい傾向のあるモデルが存在し、このジョーカーは限定モデルであるにも関わらず、それに該当するのです。

この時計、文字盤に描かれたジョーカーの顔がかなり印象的ですが、2017年2月水準は約27万円といったところ。値動きとしては、2010年3月の約22万円から5万円ほど上昇している様子がありました。

しかし、それから3年後の今、このジョーカーはやや下落している様子。現在水準は約24万円となっています。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年2月
の安値
2020年7月
の安値
変動額 残価率
コルム
バブル
ジョーカー
中古 3年
5ヶ月
¥278,640 ¥249,999 -28,641 89.72%

このバブルのジョーカーにはクロノグラフモデルもあり、そちらは現在約59万円となっています。

なお、このジョーカーは777本限定で出されたようですが、意外と中古売出しはある様子となっており、「1年に一度」といったように極端に低い登場頻度ではありません。

ただ、程度の悪い個体もそれなりにあるため、程度が良い個体は少ないといえるでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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