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現在相場考察

魅力的な1本、GSTクロノIW372703白文字盤

2020年7月13日更新
IWCのIW372703について斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年12月の安値と2020年7月の安値を比較し現在相場を考察。この3年7ヶ月での変動は¥38,241だった。

GSTクロノ メカニカルクオーツ 白文字盤 IW372703についての考察(2020年7月)

エルプリメロを搭載したロレックスやパネライは価格帯が高い傾向がありますが、有名なムーブメントと他社製品というコラボレーションは、まさにダブルネームのような魅力があるといえるのではないでしょうか。

そういった意味では、このIWCはとても魅力的な1本。なぜなら、IW372703に搭載されているムーブメントが、ジャガールクルトベース(JLC631)だからです。

JLCムーブメントといえば、2004年から2005年頃までの高級パネライにも搭載されていましたが、それなりに評価されている傾向があります。

他社製品へのJLC搭載例は、パテックフィリップオーデマピゲヴァシュロンコンスタンタンなどが主。まさに三雲時計御用達であるわけです。

ですから、ETAベースが多いブランドにおいて、JLCムーブメントが搭載されているということは、かなりな意外性となるわけで、「グッとくる1本」というキャラクターになるように感じます。

そういった意味ではこのIW372703の価格帯はそれなりに高くても不思議がないといえますが、現在水準はどうなっているのでしょう。

JLCムーブメントを搭載した腕時計は、パネライだと80万円台、JLC本家でも40万円以上といった印象があります。

ちなみに、自社製よりも、ムーブメントを供給した他社製品のほうが高い傾向があるのはエルプリメロも同様で、ゼニスだと20万円台ぐらいから購入可能なのに対し、パネライだと80万円台ロレックスデイトナ16520200万円以上といった水準となっています。

しかし、このIWCIW372703はなんと、現在でも約21万円という水準で購入可能という状況。

なぜこんなに安いかというと、このムーブメントがクォーツだからなのですが、実はこのモデル、「ただのクォーツ」ではありません。

メカニカルクォーツという名の通り、“時計本体部分はクォーツ、クロノグラフ機構が機械式”という内容。

このようなメカニズムは他ではなかなか見ないわけですが、この内容でJLCというのがさらなる魅力だといえます。

本記事で参考とした中古腕時計

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☆良品【IWC】GST IW372703 メカニカルクォーツ クロノグラフ メンズ【ev05】

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年12月
の安値
2020年7月
の安値
変動額 残価率
IWC
GSTクロノ
メカニカルクオーツ
白文字盤
IW372703
中古 3年
7ヶ月
¥181,000 ¥219,241 38,241 121.13%

前回このIW372703をお伝えしたのは、2016年12月のことなのですが、その際は約18万円という水準。なお、2010年10月水準も約19万円だったため、このIW37270320万円台となるのは2010年から10年越しともいえるでしょう。

ただIW372703は、以前と比べて値上がりしたものの、その水準は今でも約21万円

特殊機構のクロノグラフという面白さとIWCの格好良さ、及びJLCのベースムーブメントという内容からするとこの価格帯は魅力的だと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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