エルプリメロを搭載したロレックスやパネライは価格帯が高い傾向がありますが、有名なムーブメントと他社製品というコラボレーションは、まさにダブルネームのような魅力があるといえるのではないでしょうか。
そういった意味では、このIWCはとても魅力的な1本。なぜなら、IW372703に搭載されているムーブメントが、ジャガールクルトベース(JLC631)だからです。
JLCムーブメントといえば、2004年から2005年頃までの高級パネライにも搭載されていましたが、それなりに評価されている傾向があります。
他社製品へのJLC搭載例は、パテックフィリップ、オーデマピゲ、ヴァシュロンコンスタンタンなどが主。まさに三雲時計御用達であるわけです。
ですから、ETAベースが多いブランドにおいて、JLCムーブメントが搭載されているということは、かなりな意外性となるわけで、「グッとくる1本」というキャラクターになるように感じます。
そういった意味ではこのIW372703の価格帯はそれなりに高くても不思議がないといえますが、現在水準はどうなっているのでしょう。
JLCムーブメントを搭載した腕時計は、パネライだと80万円台、JLC本家でも40万円以上といった印象があります。
ちなみに、自社製よりも、ムーブメントを供給した他社製品のほうが高い傾向があるのはエルプリメロも同様で、ゼニスだと20万円台ぐらいから購入可能なのに対し、パネライだと80万円台、ロレックスデイトナ16520は200万円以上といった水準となっています。
しかし、このIWCのIW372703はなんと、現在でも約21万円という水準で購入可能という状況。
なぜこんなに安いかというと、このムーブメントがクォーツだからなのですが、実はこのモデル、「ただのクォーツ」ではありません。
メカニカルクォーツという名の通り、“時計本体部分はクォーツ、クロノグラフ機構が機械式”という内容。
このようなメカニズムは他ではなかなか見ないわけですが、この内容でJLCというのがさらなる魅力だといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年12月 の安値 |
2020年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
IWC
GSTクロノ メカニカルクオーツ 白文字盤 IW372703 |
中古 | 3年 7ヶ月 |
¥181,000 | ¥219,241 | 38,241 | 121.13% |
前回このIW372703をお伝えしたのは、2016年12月のことなのですが、その際は約18万円という水準。なお、2010年10月水準も約19万円だったため、このIW372703が20万円台となるのは2010年から10年越しともいえるでしょう。
ただIW372703は、以前と比べて値上がりしたものの、その水準は今でも約21万円。
特殊機構のクロノグラフという面白さとIWCの格好良さ、及びJLCのベースムーブメントという内容からするとこの価格帯は魅力的だと思います。