ブランパンの腕時計は、腕時計に詳しい人目線だと「内容の割に安い」といったように穴場的存在といった感覚があるわけですが、その反面、あまり目立った値動きをしない側面があるともいえます。
ただ、そのような傾向は、近年徐々に変わってきており、エアコマンドやレマンフライバッククロノなどは、かつてとは異なる価格帯に上昇するといった変化が見られます。
そして、このトリロジーGMTにもそういった様子を感じられるのですが、なぜならこの時計は現在約63万円という水準だからです。
2018年4月水準は約44万円だったのですが、2016年12月でも約46万円といったように、GMTは長らく変化していなかった様子があったのです。
実際、2015年8月水準でも41万円だったわけですから、2018年4月時点まで「あまり変わらない」という印象だったといえます。
このトリロジーGMTは、1997年にフィフティファゾムス、エアコマンドとともにトリロジーシリーズしてデビューしたのですが、2000年代前半頃の新品実勢価格は当時のロレックスより高く、雲上スポーツ的な高級腕時計という印象があったのです。
けれども、近年の中古相場を見ると、ロレックスより上という価格帯ではないわけで、他のブランパン同様「内容の割に安い」という感覚があったといえます。
そんなトリロジーGMTを最後に記事でお伝えしたのは2018年4月だったのですが、それから2年以上が経過した今、大きな異変が起きている様子があるのです。
それこそが、目立った値動きであるのですが、現在水準は2018年4月水準と比べて約19万円の上昇という様子であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年4月 の安値 |
2020年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ブランパン
トリロジーGMT 2250-1130-71 |
中古 | 2年 3ヶ月 |
¥446,700 | ¥638,000 | 191,300 | 142.83% |
このトリロジーシリーズには、この記事の個体のような通常のステンレス版だけでなく、ラバー素材とのコンビという「コンセプト2000」があるのですが、近年の傾向としてはステンレスの評価が高いといった印象があります。
そして今回、価格ステージが変化したトリロジーGMTもSSです。
トリロジーシリーズにおいて、最初に「評価が高くなった」と感じたのはフィフティファゾムスでしたが、その次にエアコマンドが上昇した経緯があります。
ですから、このGMTの上昇を持って、1997年世代のトリロジーシリーズは、その全てが以前と比べて評価されるようになったということになります。
ちなみにこのトリロジーGMT、現在水準はエクスプローラー2の16570黒文字盤と同等といえますが、実は2018年時点ではエクスプローラー2のほうが高かったのです。
とはいえ、2000年代前半の新品実勢価格ではトリロジーGMTのほうが高い価格帯に位置していたため、時期によって価格序列は異なるといえます。
同じ表示形式のGMT機能を搭載するトリロジーGMTとエクスプローラー2ですが、似ているようで異なる2本を比べてみるというのは面白いかもしれません。