オメガには様々な限定モデルがありますが、この限定スピードマスターはその中でも特別な存在だといえるでしょう。
なぜなら、これはスピードマスター誕生50周年を記念して出されたからなのですが、その内容からもオメガの気合が伝わってきます。
50周年記念モデルといっても、いくつものモデルが出されたため、各モデルを把握する必要があります。
まず311.30.42.30.01.001ですが、これはムーンウォッチの文字盤を特別にしたといったところで、その文字盤には「シーホース」があります。
そして、その他の50周年記念モデルは高級要素が強いのですが、なぜならエナメル文字盤が与えられているからです。
50周年記念のエナメル文字盤には、レッド、イエロー、ホワイトゴールドのモデルが少数用意されたのですが、それらは各57本の限定だった模様。
そして、エナメル文字盤にはきちんとSSも用意されており、その限定数は1957本とK18よりも多い数が用意されていました。
それがこの311.33.42.50.01.001なのですが、一見すると「普通のムーンウォッチ」に見えますが、実はエナメル文字盤というのが、グッとくるポイントでしょう。
けれども、これには更なる魅力が存在。それこそが、搭載されるムーブメントなのですが、これにはフレデリックピゲ製ムーブメントが与えられているのです。
しかもこれ、オメガの売りであるコーアクシャル仕様となっており、それでいて手巻きクロノグラフという内容なのです。
ですから、ムーンウォッチ伝統の手巻きかつコーアクシャル仕様、さらにフレデリックピゲベースの手巻きという特別感がこの311.33.42.50.01.001にはあるわけで、エナメル文字盤という特別さ、及び50周年記念モデルということとともに「スペシャル」のオンパレードといった内容であるのです。
ちなみに、その他、通常モデルとの差として、防水性能があります。通常のムーンウォッチは50m防水ですが、この50周年記念モデルはなんと100m防水。見た目はそっくりでも、地味に防水性能が強化されているのが面白いと感じます。
さて、限定モデルといえば、あまり評価されない傾向がありますが、オメガのそれは例外。近年かなりな評価となっているモデルが多々あるのです。
例えば、スピードマスターのスヌーピーやアラスカプロジェクトがそれに該当するのですが、いずれにしても尖ったモデルが評価されるという傾向があるでしょう。
そうであるならば、この311.33.42.50.01.001も高い評価となっていても不思議でないのですが、意外や意外、現在水準は2017年8月水準と大きく変わらないのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年8月 の安値 |
2020年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オメガ
スピードマスター 311.33.42.50.01.001 |
中古 | 2年 11ヶ月 |
¥691,500 | ¥698,000 | 6,500 | 100.94% |
これほど濃い内容のオメガ限定モデルがなぜ評価されていないか不思議ではありますが、筆者は「認知されていない」ためだと推測しています。
スヌーピーやアラスカプロジェクトは、ひと目見ただけで「尖ったモデル」と判断できますが、この50周年記念エナメル文字盤は、一見しただけでは普通のムーンウォッチに見えてしまいます。
「一見すると普通のモデルだけど、実は特別」ということは、とても魅力的だといえますが、現在のところそれがこの311.33.42.50.01.001には良い作用となっていないのでしょう。
ですから、今後この311.33.42.50.01.001の知名度が上昇したならば、多くの人がこの「尖った内容」に気づくわけで、より評価されても不思議でないと思います。