ミルガウス、といえばエクスプローラ1やデイトナポールニューマンと並ぶ“元祖プレミア価格”のアンティークロレックス。ロレックスブームが起きた1999年の段階で高い順にデイトナ>ミルガウス>エクスプローラ1という感じで、当時より百何十万円という値段が当たり前な時計でした。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2011年10月 の安値(ヤフオク) |
2016年7月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
ミルガウス 銀文字盤 1019 |
中古 | 4年 9ヶ月 |
¥1,803,000 | ¥2,529,600 | 726,600 | 140.30% |
で、特に目立って高かったのが黒文字盤。
ちなみにアンティークミルガウスといったら1019という感じですが、1019は二代目のミルガウス。
1019も流通量が少ないことが高値の要因の1つですが、初代である6541はそれより圧倒的に流通量が少なく超高価です。
今でこそミルガウスは現行品ですが2007年以前は現行モデルではありませんでした。
例えば、デイトナポールニューマンのように“希少”とされる他のモデルの場合、それが希少になった当時でも「デイトナ」自体は現行品。
一方ミルガウスの場合、「ミルガウス」というモデル自体が生産されていなかったため、デイトナに次ぐ高価な相場というだけでなく、モデル自体も無いという希少性があったのです。
そういう事情をロレックスもわかっていたのでしょう。
多くの人にとって幻だった「ミルガウス」は100万円超えも当たり前となった時期から約8年後に“復活”します。
復活されてから10年近く経過した今となっては、もやは「ミルガウス」が現行モデルであることは当たり前。
でもって現行ミルガウスの方も復活された当初は緑ガラスのモデルが140万円ととんでもないプレミア価格になったりしますが、今では60万円前後と落ち着いた相場になっています。
そんなこともあってか、他のロレックスと比べるとそんなに値上がりしていない印象のミルガウス。
ややこしいのは、相場がつかみにくいという点。
例えば、日本ロレックスオーバーホール証明書付きの黒文字盤は昨年、約270万円という価格で取引されている一方、今年の1月に約180万円で取引されたりしています。
つまり、時期に関係無く、
といった感じ。
100万円以下にならない、というのは間違いないのですが、かなり読めない時計のため現段階では投資に向かないと言ってよいでしょう。
しかし、そんな1019の定価は約30万円だったりするので、一番の投資は「現行の頃デパートで新品を買う」というのが正解。
ただし、価値をわかってこそ、時計の価値が生きるので、当時デパートで1019を買った人がこんなに高くなっていることに気づいていないかもしれません。
「気づかないわけ無いだろ」と思っても、もしかしたら意外な人が持っているかもしれないので要注意。
おじいちゃんが買って、買ったことも忘れて押し入れの中に放置されているかもしれない、というのが1019にはありうること。
で、どことなく筆者が小さいころ、父だか祖父だかが付けていた光景が頭の片隅にあるのです。(もっとも小さい頃はロレックスという単語すら知りませんが)