なぜか相場全体を示すのような動きをする傾向があるヨットマスター16622。以前の記事でも、そういったことをお伝えしていますが、筆者個人的には2003年頃から「相場全体と連動するかのような動き」と感じています。
ですから、すでに10年以上の間、なぜだか16622にはそのような動きをしているわけで、今でもそういった傾向があることに変わりありません。
さて、そんな16622ですが、今年の動きはどうなっていたかというと、3月に値下がり、5月に回復となっているのです。
その際、値動きした額はそれほど目立った水準ではありませんでしたが、筆者としては「無視できない動き」だと感じました。実際、その動きはやはり「無視しないほうがよかった」わけなのですが、なぜかというと一足早い動きだったからです。
今年といえば、新型コロナ(緊急事態宣言)による下落トレンドがありましたが、それが目立ったのは4月です。ですから、16622は先に値下がりしていたわけで、未来を予知するかのような動きをしたといえるでしょう。
また、6月といえば、4月に値下がりしたモデルの多くが回復した様子がありましたが、16622は5月に回復傾向となっているのです。
ですから、今年において16622は「一足早く動く」といった動きをしていたわけで、とても貴重な情報を提示してくれるかのような存在だったといえます。
とはいうものの、16622は常に一足早く動くわけではないため、今年の動きは“特に優秀だった”ともいえます。
そして、現在の様子はどうなっているかというと、約81万円というボトム価格なのですが、実はこれ、ピーク時を上回る水準であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年5月 の安値 |
2020年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
ヨットマスター 16622 |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥789,500 | ¥818,000 | 28,500 | 103.61% |
16622は2019年5月に約77万円となった際、「過去最高値に匹敵する中古水準」だといえる状態でしたが、その後も値上がりし、2019年12月には約80万円となりました。
そして、2020年3月には約76万円に下落し、再び70万円台に戻ります。その後5月に回復したものの、約78万円といったところにとどまっており、80万円台には戻っていなかったわけです。
ですから、これまでのピーク水準は2019年12月の約80万円となるわけですが、今回約81万円というボトム価格になったことにより、80万円台回復と同時に、過去最高値中古水準を更新したといえるのです。
この“過去最高値”とは、筆者が調査した過去のボトム価格及び、記事で紹介した水準を上回るという意味ですが、これを超える中古水準はおそらく1999年のデビューに「あったかどうか」といったところでしょう。16622は99年のデビュー時に、当時の新品実勢価格が一時プレミア価格となっていましたが、その際中古も定価を超える水準だったかは不明です。仮に99年頃において、中古が定価を超える状態だったならば、定価の85万円(税別)を上回ることになっていたわけで、それが本当の過去最高値だといえます。
この16622の動きが示すのは、全体的に回復傾向ということだと思いますが、もしも今年3月や5月のように、「他に先駆けた値動き」だったならば、他のモデルでも過去最高値を更新するものが出てきてくるということになるでしょう。
2019年上半期に多くのモデルは随分上昇しましたが、その後2度に渡る下落トレンドによって、2019年上半期水準を更新できていない状況であるため、ピーク水準を超えるモデルが出てくるか興味深いと感じます。