雲上ブランドによるスポーツモデルという存在は、かつて全く不人気だった一方、今では多くの人が憧れる人気な存在感となっており、「ラグジュアリースポーツ」を略して「ラグスポ」というニックネームがつけられるほどとなっています。
それら「ラグスポ」が示すのは、主に三雲ブランドのそれを指す傾向があるといえるでしょう。
とはいえ、雲上に匹敵するブランドもスポーツモデルを出しているわけで、三雲ラグスポに対するライバルといえるのが、このブレゲマリーン2だといえます。
マリーン2の特徴は、なんといってもラバーベルトを採用する点ですが、このような「カジュアル感」が、ブレゲ特有のクラシカル要素と相まって絶妙なバランス感を形成しています。
高級腕時計において、ラバーベルトの採用は特に90年代頃から見られるようになりましたが、雲上ブランドで最初にそれを採用したのがパテックフィリップのアクアノートです。
アクアノートは、ノーチラスをよりカジュアルにするといった方向性でデビューし、見た目の印象もまさにスポーツといったところ。
それに対してこのマリーン2は、パテックフィリップに例えるならば、カラトラバをスポーツウォッチにしたような雰囲気を醸し出していて、他とは一線を画すラグジュアリースポーツだといえるでしょう。
そんなブレゲマリーン2、5817ST/12/5V8の最近の中古相場はどのような様子となっているかというと、102万円というボトム価格であるのですが、実はこれ2018年6月水準とほとんど変わっていないのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年6月 の安値 |
2020年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ブレゲ
マリーン2 5817ST/12/5V8 |
中古 | 2年 1ヶ月 |
¥1,028,000 | ¥1,020,000 | -8,000 | 99.22% |
ですからこの5817ST/12/5V8は、2年前からほぼ値動きしていないということになるのですが、他のラグジュアリースポーツはこの2年で大きく動いたモデルが多いといえるため、お得感を感じる存在だといえるでしょう。
また、2016年5月水準は約95万円だったのですが、それと比べてもそれほど大きく動いていないため、他のスポーツ系と比べてお得という印象がより一層強くなるといえます。
この5817ST/12/5V8にはフレデリックピゲ製ムーブメントが搭載。また、ブレゲ針、ケースのフルート模様といった伝統的要素を含み、それらが良いバランスでまとめられており、かなりな高級感を感じます。
そして、クラシカルな要素をあえて多く採用する一方で、その雰囲気はどことなく近代的。そのようなキャラクターの場合、“お得感”といった要素から程遠い存在が多い印象ですが、このマリーン2の場合は“お得感がある”といえるため、とても狙いめな1本だといえるのではないでしょうか。