この1年の値動きといえば、『2019年上半期に目立った上昇、2019年夏に下落、その後復活したものの、2020年4月に再度下落し、現在また復活した』という流れでした。
そして、人気モデルほどそのようなトレンド通りの値動きになりやすいという傾向があるといえるでしょう。
けれども近頃、デイトナ16520の動きはその限りではないのです。
16520といえば、2017年からの上昇トレンドを牽引したといえる存在であるわけですから、全体的な値動きのトレンドと異なる動きとなっているのは、かなり意外だといえます。
実際、2019年夏の下落トレンドまでは、全体的なトレンドに即した値動きをしていたといえたわけですから、今の様子は輪をかけるように意外だといえるかと思います。
では現在、16520黒文字盤はどういった様子なのかというと、その答えは「下落」であるのです。
近頃といえば、“4月に目立った下落、6月以降に回復”という値動きが多いわけですが、16520黒文字盤はそのいずれの時期も目立った動きとなっていなかったのです。
それどころか、2020年頭の回復トレンドでも目立った動きとなっておらず、2019年12月から特に目立った変化がないという様子となっていました。
そういった意味では、16520黒文字盤は、2020年から他の人気モデルとは異なる動きとなっているといえます。
2020年になってから、年頭の回復トレンド、4月の新型コロナによる下落トレンドを無視するかのように、16520は2019年12月水準と大きく変わらない水準をキープしたままだったわけです。
そして、7ヶ月ぶりに目立った値動きをしたかと思えば、多くの腕時計が上昇となっているのに、16520黒文字盤は下落。
現在水準は、2019年12月よりも約6万円の値下がり状態となっており、価格ステージも『240万円台⇒230万円台』となってしまっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年12月 の安値 |
2020年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ 黒文字盤 16520 |
中古 | 0年 7ヶ月 |
¥2,420,000 | ¥2,351,470 | -68,530 | 97.17% |
16520黒文字盤が他の人気モデルと同じような動きだったならば、2020年4月に現在水準よりも安い状況となり、現在ではそれを大きく上回る様子となっていたはずです。
けれども、2019年12月から大きく値動きしなかった16520黒文字盤は、そういった動きになることはなく、値上がりしているモデルが多い時期になぜか値下がりといった様子を見せているのです。
冒頭でも触れたように、16520黒文字盤は2017年から相場全体を牽引するような存在感だったわけですから、現在の様子は意外だといえるわけです。
そして、興味深いのは、同じく相場を牽引する存在感だったノーチラス5711/1A-010も目立った回復となっていない点。青文字盤は値動きしなかった結果、白文字盤よりも安い水準となってしまっている様子が続いていますが、かつてであれば青文字盤が白文字盤よりも安いというのは考えられなかったわけです。
16520と5711/1A-010という2本は、この数年において「腕時計の王様」といった存在感だったといえます。
もちろん、今でもそういった印象は全く薄れていませんが、現在の相場が示すのはどのようなことなのでしょう。
それは、王様の退位といったようなトレンドの変化なのか、それとも嵐の前の静けさといった沈黙なのか、その答えが気になるところだと思います。