16520黒文字盤が他の人気モデルと同じような動きだったならば、2020年4月に現在水準よりも安い状況となり、現在ではそれを大きく上回る様子となっていたはずです。
けれども、2019年12月から大きく値動きしなかった16520黒文字盤は、そういった動きになることはなく、値上がりしているモデルが多い時期になぜか値下がりといった様子を見せているのです。
冒頭でも触れたように、16520黒文字盤は2017年から相場全体を牽引するような存在感だったわけですから、現在の様子は意外だといえるわけです。
そして、興味深いのは、同じく相場を牽引する存在感だったノーチラス5711/1A-010も目立った回復となっていない点。青文字盤は値動きしなかった結果、白文字盤よりも安い水準となってしまっている様子が続いていますが、かつてであれば青文字盤が白文字盤よりも安いというのは考えられなかったわけです。
16520と5711/1A-010という2本は、この数年において「腕時計の王様」といった存在感だったといえます。
もちろん、今でもそういった印象は全く薄れていませんが、現在の相場が示すのはどのようなことなのでしょう。
それは、王様の退位といったようなトレンドの変化なのか、それとも嵐の前の静けさといった沈黙なのか、その答えが気になるところだと思います。
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