2015年にロレックス初のラバーベルトモデルとして登場したヨットマスターの116655。
ラバーベルトに合わせるように、ベゼル部分も黒色セラミックとなっているのが特徴的です。
このような色合いは、1998年にデビューしたブルガリアルミニウムが元祖といえますが、そういった斬新な色合いをアルミニウムの17年後にロレックスが採用するといったことは、2000年前後といった時代には想像もできなかったことだといえます。
それは、2015年のデビューまででも同様だったといえたため、登場時は大変な注目度となっていたように感じます。
ただ、この時計、注目度は高いものの、K18の高級モデルだけあって実勢価格は高め。その結果、多くの方々が気軽に手を出すといった需要とはならず、長らくデビュー年が一番高かったという状況となっていたのです。
また、2016年は夏頃から値下がりトレンドが発生したために、2015年11月⇒2016年9月の値動きは、新品実勢価格同士の比較でマイナス57万円程度といったところだったのです。
そしてその後も116655はそれほど目立った動きを見せず、2018年12月⇒2019年12月の1年間での値動きも約15万円の上昇(中古同士の比較)といった水準にとどまっていました。
ましてその動きでも、それまでの116655の様子からすると優秀と表現できたわけで、他のロレックス人気モデルと比べると明らかに地味な動きだったといえます。
さて、そんな116655ですが、今なんとインパクトのある出来事が発生。
それこそが、過去最高値更新といった様子なのですが、どうなっているかというと、「2015年11月の新品実勢価格よりも、2020年8月現在の中古ボトム価格のほうが高い」となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年12月 の安値 |
2020年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
ヨットマスター 116655 |
中古 | 0年 8ヶ月 |
¥2,500,000 | ¥2,970,000 | 470,000 | 118.80% |
現在、116655の中古ボトム価格は297万円ですが、2015年11月の新品実勢価格(安い順の3社平均値)は約265万円。
ですから、デビューから5年越しで『デビュー年の新品実勢価格よりも、その後の中古ボトム価格のほうが高い』という値動きとなったのです。
なお、前回この116655をお伝えした2019年12月水準は250万円でしたが、現在水準はそれに対して47万円の上昇となっています。
2019年12月の段階では「1年で15万円程度の上昇」でも、それまでの動きを考慮すると「優秀」と表現できたわけですが、現在の値動きは「8ヶ月で47万円の上昇」。過去の値動きを凌駕したといえます。